第165回国会(臨時会)
答弁書第七号 内閣参質一六五第七号 平成十八年十月二十日 内閣総理大臣 安倍 晋三
参議院議長 扇 千景 殿 参議院議員櫻井充君提出歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員櫻井充君提出歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問に対する答弁書 一の1について 御指摘の歯科医療の感染防止対策費用に係る項目を含む平成十八年度の歯科診療報酬の改定については、平成十八年二月三日、八日及び十五日に開催された中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)において、その主要改定項目案について議論されており、これに関する資料及び議事録については、厚生労働省のホームページに掲載されている。 一の2について 厚生労働省として把握している限りにおいては、歯科医療の感染防止対策費用に関する議論については、中医協の議事録等のうち厚生労働省のホームページに掲載されていないものはなく、また、中医協の委員が非公式に集まった会合等は存在しない。 一の3について 歯科診療報酬については、厚生労働大臣からの諮問に対し、中医協における議論を経て、中医協からの答申により歯科診療報酬点数表の改正案が示され、それを基に厚生労働大臣が定めることとされている。なお、厚生労働省保険局医療課が中医協の庶務を担当している。 二について 歯科疾患継続指導料には、診療報酬の算定方法(平成十八年厚生労働省告示第九十二号)別表第二区分番号B004の8の注2に規定するとおり、歯科衛生実地指導料、診療情報提供料(Ⅰ)、歯周基本検査、初期齲蝕小窩裂溝填塞処置、スケーリング及び有床義歯調整料に係る費用を除く特掲診療料に係る費用に(以下「関係費用」という。)が含まれている。また、歯科疾患継続指導料においては、医療経済実態調査等の結果を踏まえた中医協における議論を経て、関係費用を総合的に評価しているところである。 三について 御指摘の歯科疾患継続指導料の算定に係る「継続治療計画に基づかない外傷等の突発的な疾患」とは、外傷又は義歯の破損に限られるものであり、この場合には、歯科疾患継続指導料を算定中の患者であっても、これらの治療に係る特掲診療料に限り、歯科疾患継続指導料と併せて算定できる取扱いとしているところである。 四について スケーリング及びルートプレーニングが、歯科衛生士法(昭和二十三年法律第二百四号)第二条第一項の歯牙及び口腔の疾患の予防処置又は同条第二項の歯科診療の補助(以下「疾病予防処置等」という。)に該当する場合には、歯科衛生士がこれらの行為を行うことは可能であるが、これについては、個々の行為の態様に応じ個別具体的に判断する必要がある。 また、個々の行為が疾病予防処置等に該当するか否かについて、歯科衛生士法を所管する省庁として最終的に判断するのは、厚生労働省である。 五について 御指摘の補てつ物維持管理料については、咀嚼機能の長期的な維持を図るため、補てつ技術の質に着目して、歯冠補てつ物及びブリッジの維持管理を新たに評価し、歯の健康作りを進める「八○二○運動」を診療報酬の面からも推進する目的で導入されたものであり、中医協における議論を経て、平成八年度の歯科診療報酬の改定において新設されたものである。 六について 政府としては、個々の歯科技工士の勤務実態については承知していないが、厚生労働省が実施した「平成十七年賃金構造基本統計調査」によると、歯科技工士の平均的な勤務実態が他の医療関係職種に比べて著しく劣っているわけではなく、御指摘のような実態調査を新たに行う必要はないと考えている。 七について 歯科診療報酬点数表における初診料、再診料等の基本診療料には、消炎又は鎮痛を目的とする理学療法、口腔軟組織の処置、単純な外科後処置、口角びらんの処置等の簡単な診療行為に係る費用が含まれているが、患者の状態等により様々な診療行為が考えられるため、すべてをお示しすることは困難である。 八について 御指摘の社会保険事務局指導医療官の指導については承知していない。一般に、歯周疾患に罹患している患者に対し、歯周治療と並行して補てつ治療を行うことは、歯科医学上適切ではないと考えている。 |