質問主意書

第165回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三六号

選挙の公正な執行に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年十二月十三日

喜納 昌吉   


       参議院議長 扇 千景 殿



   選挙の公正な執行に関する質問主意書

 本年十一月に執行された沖縄県知事選挙はまれに見る混戦であったが、選挙戦に携わった立場を踏まえ、来年の統一地方選挙等各種選挙の公正な執行の観点から、以下質問する。

一 沖縄県知事選挙では、小池百合子総理大臣補佐官を始めとして、大臣、副大臣、政務官、総理大臣補佐官(以下「大臣等」という。)が陣営の応援のために多数沖縄入りした。選挙期間中に応援に行った大臣等の人数及び氏名を明らかにされたい。

二 沖縄入りした大臣等の旅費等の経費は誰が負担しているのか、明らかにされたい。政府が負担しているのであれば、小池百合子総理大臣補佐官の旅費等の経費の額、また、同補佐官を含む大臣等の旅費等の経費の総額を明らかにされたい。

三 沖縄県知事選挙における期日前投票は十一万票を超え、有権者数の十パーセントを超えている。しかし現在の期日前投票は本来の趣旨に反し、組織的な票固めをする有力な手段になっており、有権者に投票用紙に書き込むべき候補者の名前を事前に教えるなどの不正も起こり得ると考える。ついては、このような票固めのための期日前投票は規制するなど、制度を見直す考えはないか、政府の見解を明らかにされたい。

四 期日前投票をする有権者を投票所まで運ぶなど、選挙に多くの企業が動員されたとすれば、まさに企業ぐるみ選挙であり、選挙の公正を揺るがしかねないゆゆしき問題であると考える。沖縄県知事選挙においてこうした事実があったのかどうか、政府は把握しているか。把握しているのであれば具体的な事例を示されたい。また、企業ぐるみ選挙の法的な問題点について、政府の見解を示されたい。

五 特定の候補者に投票する有権者を増やすために、他の自治体から組織的に住民票を移すようなことが行われたとすれば、同様にゆゆしき問題であると考える。

1 投票日の六か月前から三か月前までの間の他の都道府県からの沖縄県への転入者数、及び過去三年間の同時期の転入者数について、政府は把握しているか。把握しているのであれば、それぞれ人数を示されたい。
2 沖縄県内の市町村から、選挙の前後で不自然な増加がある旨が沖縄県に報告された事例があるかどうか、政府は把握しているか。把握しているのであれば、具体的な事例を示されたい。
3 万が一にも、転入者が不自然に増加しているのであれば、選挙の公正な執行との観点から、政府としても事実関係を調査する必要があると考えるが、見解を示されたい。

  右質問する。