質問主意書

第165回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三四号

エルサルバドルの旧「満州国」承認に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年十二月十一日

喜納 昌吉   


       参議院議長 扇 千景 殿



   エルサルバドルの旧「満州国」承認に関する質問主意書

 私が提出した「日本とエルサルバドルの両国関係に関する再質問主意書」(第一六五回国会質問第二七号)に対する一二月八日付けの答弁書(以下「前回答弁書」という。)の内容等を踏まえ、エルサルバドルの旧「満州国」承認等について、以下質問する。

一 前回答弁書では、日本とエルサルバドルとの領事関係は、一九二七年(昭和二年)八月にエルサルバドル側が東京駐在総領事を任命し、同年一二月に開設されたとある。日本側は、サンサルバドル駐在総領事ないし領事、あるいは名誉総領事ないし領事などを任命する対応措置を講じたのか明らかにするとともに、その理由についても示されたい。

二 エルサルバドル政府は一九三四年に、日本を除く最初の国として、旧「満州国」を承認した史実がある。その当時の日本の内閣総理大臣名及びエルサルバドルの大統領名を明らかにされたい。

三 エルサルバドルの旧「満州国」承認に関して、エルサルバドルの東京駐在総領事が、日本政府の意向を受けて本国政府に働きかけた結果との見方があるが、そのような事実があったか否か、明らかにされたい。また、エルサルバドルの旧「満州国」承認に至るエルサルバドル側及び日本側の交渉経緯を明らかにされたい。

四 当時の日本政財界は、旧「満州国」を承認したエルサルバドルを「親日国」、「中米の日本」などと呼んだ。外務省を始めとした日本政府は以後、同国を「親日国」としてもてはやしてきたが、そのような認識があるか否か明らかにするとともに、その理由についても示されたい。また、そのようなエルサルバドルに対する評価は、一九七八年に両国合弁企業インシンカの社長がサンサルバドルで誘拐される事件の発生により急変したとの見方がある。このような見方について、外務省の認識を示されたい。

五 エルサルバドルが旧「満州国」を承認したという歴史的に極めて興味深い事実を、外務省が、ホームページ「日・中南米交流史概観」等におけるわずかな記述を除いて、両国関係に関する公開文書類に掲載しない理由を明らかにされたい。

六 外務省ホームページ「日・中南米交流史概観」の「明治以降戦前までの関係」「8エルサルバドルとの友好の始まり」において、エルサルバドルが旧「満州国」を承認したという事実を掲載した日時を明らかにされたい。

七 エルサルバドルの旧「満州国」承認及びそれに至る交渉経緯などに関する文書があれば、具体的に示されたい。また、そのような文書がある場合、国民に対する情報公開の重要性にかんがみ、保管場所及び閲覧方法についても明らかにされたい。

  右質問する。