質問主意書

第165回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二〇号

路上生活者の実態と政府の取組に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年十一月十日

喜納 昌吉   


       参議院議長 扇 千景 殿



   路上生活者の実態と政府の取組に関する質問主意書

 毎年、晩秋のこの季節になると、東京を始め全国各地で目に付く路上生活者、いわゆる「ホームレス」の人々の生活状況や健康が気になり、特に高齢の路上生活者を見ると胸が痛む。政府は、日本を世界の「主要国」と位置付けているが、その「主要国」の各所に路上生活者がいる。また政府は長年、「構造改革」の名前で構造調整を図りつつ、新自由主義経済政策を実施してきており、これによって経済格差は著しくなり、いわゆる「負け組」も増える状況の中で、結果的に路上生活者にならざるを得なかった人々も少なくないと思われる。
 そこで、以下質問する。

一 政府は現時点における全国の路上生活者数を把握しているか。把握しているのであれば、路上生活者の全体数及び都道府県別の数を示すとともに、路上生活者数に占める女性と未成年者の数をそれぞれ明らかにされたい。

二 政府は、路上生活者がそのような生活を送るようになった原因を把握しているか。把握しているのであれば、その原因を明らかにされたい。

三 政府は、小泉前政権の発足時と退陣時におけるそれぞれの路上生活者数を把握しているか。把握しているのであれば、その数を明らかにされたい。

四 政府は、路上生活者対策として、これまでどのような政策を策定し実施してきたか、具体的に明らかにするとともに、その予算も併せて示されたい。

五 政府及び地方自治体は、路上生活者対策において協力・連携関係にあるか、明らかにされたい。また、NGOなど民間団体や宗教団体などとの協力・連携関係があれば明らかにされたい。

六 政府にとって、路上生活者対策上、最大の問題は何かを明らかにされたい。また、路上生活者をなくすことはできないのか政府の認識を示すとともに、できないのであればその主要な理由を明らかにされたい。

七 政府は、G7など他の「主要国」の路上生活者数を把握しているか。把握しているのであれば、その数を明らかにされたい。

八 政府は、路上生活者の存在を「やむを得ない」と受け止めているのか、明らかにされたい。もし、やむを得ないと受け止めているのであれば、その理由も示されたい。

九 政府は冬の到来を前に今後、どのような路上生活者対策を講じようと考えているのか、明らかにされたい。また、路上生活者問題に関わる省庁・部局などを明らかにされたい。

十 政府は、行旅死亡人として取り扱われた路上生活者の数を把握しているか。把握しているのであれば、過去十年間におけるその数を明らかにされたい。

  右質問する。