質問主意書

第165回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一七号

ODAの評価体制及び効率性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年十一月八日

藤末 健三   


       参議院議長 扇 千景 殿



   ODAの評価体制及び効率性に関する質問主意書

 本年二月に、海外経済協力に関する検討会が報告書(以下「本報告書」という。)をまとめた。本報告書は、海外経済協力の戦略的な司令塔たる海外経済協力会議(仮称)を内閣に設置する、ODAの実施機関を統合し円借款、技術協力、無償資金協力を一元的に実施する、国際協力銀行(以下「JBIC」という。)の国際金融等部門を「新政策金融機関」へ統合することを大きな柱としている。本報告書は、政府としての今後のODA改革に向けての基礎となる方向性を示したものであることから、当然、今後の外務省のODA改革についても、本報告書の示した方向性にのっとった形で施策されると認識している。
 そこで、以下質問する。

一 平成十七年六月に、閣議決定したいわゆる「骨太の方針二〇〇五」の中で、「ODAの事業量の戦略的拡充と改革として、ODAプロジェクトの成果は第三者による客観的評価を行い、その結果を公表するとともに、PDCAサイクルを確立させ、コストを含む定量的な事後評価の実施を徹底すること」が盛り込まれている。現在、ODA評価は、主として外務省とODAの実施機関である独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)、JBICにより行われている。しかし、戦略性・効率性を高めるという本報告書の方向性をかんがみると、ODAプロジェクトに関しては、コンサルタント会社や建設・ゼネコン会社による評価に頼らず、JICA及びJBIC自身が、できない場合は外務省が直接的に事前評価・事後評価を万全に行う体制を整える必要があると考える。

1 ODAプロジェクトの評価体制の整備に当たり、まずは、JICA及びJBICにおいて工事の技術を厳密に評価し得るような知識・技能等を有する人材を増やす必要がある。そのような人材の確保・増員について、政府の認識を示されたい。
2 外務省のODA評価は、外務省組織令に基づく評価と行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づく評価がある。根拠法令が異なるため、その実施や手続きには違いがあるものの、戦略性・効率性を高めるという本報告書の方向性からすると、改善すべき点はないか、政府の認識を示されたい。
3 1、2を踏まえ、ODA評価に関し、外務省、JICA、JBICがそれぞれ役割分担を適切に行い、戦略性・効率性を高めるための事前評価・事後評価体制をどのように構築するのか、説明されたい。

二 本年十月二十七日、財政制度等審議会の部会に財務省が提出した資料によると、カンボジアの学校建設において、ODA案件の一教室当たりの建設コストが約四百万円であったのに対して、NGOが建設した場合はその三分の一の約六十万円から百三十万円となっている。また、アジア開発銀行が建設した場合も費用は約七十万円であることから、日本のODA案件における建設コストは非常に高いと言える。

1 日本のODA案件の建設コストがNGO等の建設コストに比べて、非常に高い理由を明らかにされたい。また、このようなコストが高いことに問題がないのか、改善策も含め、政府の認識を明らかにされたい。
2 このようなコストの差を考えた場合、更なる効率的なODAプロジェクトの実行は可能であると考える。今後、政府として、効率的なODAプロジェクトを行うため、どのような施策を講ずるのか示されたい。

  右質問する。