質問主意書

第164回国会(常会)

答弁書


答弁書第五○号

内閣参質一六四第五○号
  平成十八年四月二十八日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員前川清成君提出高松塚古墳壁画損傷と隠蔽等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員前川清成君提出高松塚古墳壁画損傷と隠蔽等に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 文化庁としては、平成十四年一月の高松塚古墳の石室西壁の損傷事故(以下「本件事故」という。)に係る事実関係等について、平成十八年四月二十日に文化庁に設置した高松塚古墳取合部天井の崩落止め工事及び石室西壁の損傷事故に関する調査委員会(以下「調査委員会」という。)において調査し、速やかに公表する予定である。

四について

 本件事故については、平成十八年四月十二日に報道され、同日、文化庁において、記者会見を行った。

五について

 文化庁としては、今後の高松塚古墳壁画の修理及び保存については、石室の取り出しに関する実験を繰り返し行うとともに、キトラ古墳等で培った修理技術等を活用することを予定しているが、今後、調査委員会における調査結果も踏まえ、より安全で確実な作業の実施のための対応策を検討してまいりたい。

六の1について

 石室内の大量のカビの発生は、平成十三年二月に実施した高松塚古墳取合部天井の崩落止め工事(以下「本件工事」という。)の際にカビ防止対策が不十分であり、その直後に取合部でカビが大量発生したことを契機としていると考えられ、このことは既に公表しているところである。なお、本件工事において、工事作業員が立ち入ったのは石室前の取合部までであり、石室内には立ち入っていない。

六の2について

 大量のカビの発生は、壁面の汚れ等、壁画の劣化の原因の一つとなったと考えられる。

六の3について

 東京国立文化財研究所が平成元年度以降の高松塚古墳壁画の保存修理に当たって作成した高松塚古墳保存修理マニュアルによれば、壁画の修理を行う際の用具として無菌衣が挙げられている。

六の4及び5、八並びに九について

 文化庁としては、本件工事に係る事実関係等について、調査委員会において調査し、速やかに公表する予定であり、その調査結果を踏まえ、適切に対処してまいりたい。

七について

 文化庁としては、本件事故のような事実が判明した場合は、速やかに公表してまいりたい。