質問主意書

第164回国会(常会)

答弁書


答弁書第四七号

内閣参質一六四第四七号
  平成十八年四月十八日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員藤末健三君提出食料自給率の向上のための施策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出食料自給率の向上のための施策に関する質問に対する答弁書

一について

 平成十七年三月二十五日に変更された食料・農業・農村基本計画(以下「新基本計画」という。)においては、新基本計画の第四表の望ましい消費の姿及び第五表の生産努力目標を前提とし、諸課題が解決された場合に実現可能な水準として、平成二十七年度における飼料用を含む穀物全体の自給率の目標を三十パーセントと定めているところである。

二について

 近年、小麦の需要量は、ほぼ横ばいで推移している。一方、国内産小麦については、品質面で市場ニーズに対応できていない等の問題があることから、新基本計画においては、実需者のニーズに応じた麦種・用途ごとの計画的な生産の展開、担い手の生産規模の拡大等による生産コストの三割程度の低減等に取り組むべきこととし、平成二十七年度における生産努力目標を平成十五年度の生産量と同じ八十六万トンとし、平成二十七年度における小麦の自給率の目標を十四パーセントとしている。

三について

 小麦は、パン、めん等の多様な用途に利用され、食料として国民に供給される熱量のうち約十三パーセントという米に次ぐ高い比率を占めているところであり、国民の食生活におけるこのような小麦の位置付けは、今後とも基本的には変わらないものと考えている。

四について

 農林水産省としては、小麦の生産状況や輸出に必要な施設の整備状況にかんがみれば、今後とも、我が国の実需者のニーズにこたえられる良品質な小麦を一定数量以上安定的に供給することができる国は、米国、カナダ及びオーストラリアの三か国に限られるとの考えの下、特定の国への依存度を低くするとの観点等を踏まえ、これら三か国のすべてから小麦の輸入を行っているところである。

五について

 第百六十四回国会に提出した農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案(以下「担い手経営安定法案」という。)第三条第一項各号又は第四条第一項の交付金の交付の対象となる者は、担い手経営安定法案第二条第二項の規定により、農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第十二条の二第一項に規定する認定農業者又は同法第二十三条第四項に規定する特定農業団体その他の委託を受けて農作業を行う組織であって、その耕作の業務の規模が農林水産省令で定める基準に適合するもの等の要件を満たすものとされている。
 現在、国、地方公共団体及び農業団体が、相互に連携しつつ農業経営の規模の拡大や集落営農の組織化等に対する支援を行っているところであり、農業経営の規模の拡大や集落営農の組織化等の進展の程度により、これらの要件を満たす者の数が大きく変わることが見込まれること等から、麦類生産農家のうちこれらの要件を満たすものがどの程度になるかについて、現時点でお答えすることは困難である。
 また、農林水産省としては、麦の生産者の経営安定を図るための措置として講じてきた麦作経営安定資金は、担い手経営安定法案第三条第一項の規定に基づき交付される交付金とその機能が重複するため、担い手経営安定法案の施行に伴い、同資金を廃止することが適当であると考えている。