第164回国会(常会)
答弁書第一○号 内閣参質一六四第一○号 平成十八年二月十四日 内閣総理大臣 小泉 純一郎
参議院議長 扇 千景 殿 参議院議員喜納昌吉君提出在上海総領事館領事の自殺に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員喜納昌吉君提出在上海総領事館領事の自殺に関する質問に対する答弁書 一及び二について 在上海総領事館館員(以下「館員」という。)の死亡(以下「本件」という。)については、諜報活動及びその対応措置や館員のプライバシーにかかわるものであり、また、御遺族の意向もあり、公表を差し控えてきた。 お尋ねの「責任」の意味が必ずしも明らかではないが、内閣総理大臣官邸への報告は個々の案件に応じて判断すべきものであり、本件については、事件発生後、外務省としてできる限りの調査を行い、中国政府に対し、様々なレベルで厳重な抗議を行うとともに、事実関係の究明を求めてきている。また、機密漏えいがないことを確認の上、再発防止策を講じる等、外務省担当部署において適切に対応していることから、内閣総理大臣官邸への報告は行わなかった。 三について 中国側に対する抗議については、本件事件発生直後の平成十六年五月中旬に、在中国大使館公使から中国外交部アジア司副司長に対し、また、在上海総領事から現地当局の関係者に対し、それぞれ申し入れた。また、平成十七年十二月後半に合計三回、外務本省及び在中国大使館から中国外交部及び在京中国大使館に対して申し入れ、平成十八年一月九日に開催された日中非公式協議においても、アジア大洋州局長から中国外交部アジア司長に対して申し入れた。 四について 国会において判断されるべき問題であり、政府としてお答えする立場にない。 五及び六について 過去において、外国の諜報機関による脅迫、恫喝又はこれに類する行為により、外務省職員が自殺した事案は確認されていない。 七について お尋ねの「報復措置」の意味が必ずしも明らかではないが、本件については、中国政府に対して、事件発生直後から、三についてで述べたように、様々なレベルで厳重な抗議を行うとともに、事実関係の究明を求めてきている。また、本件が諜報活動にかかわる事案であることから詳細を明らかにすることは差し控えたいが、本件に対応するための措置を検討し、実施してきており、御指摘は当たらない。 八について 事柄の性質上、明らかにすることは差し控えたい。 九について 本件については、中国政府に対して、事件発生直後から、三についてで述べたように、様々なレベルで厳重な抗議を行うとともに、事実関係の究明を求めてきており、引き続き中国政府に対し、誠実に事実関係の究明に当たることを求めていく考えである。 |