質問主意書

第164回国会(常会)

答弁書


答弁書第八号

内閣参質一六四第八号
  平成十八年二月七日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員小川勝也君提出違法伐採対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川勝也君提出違法伐採対策に関する質問に対する答弁書

一について

 「違法伐採及び違法に伐採された木材と木製品の国際貿易に取り組むための協力に関する日本国農林水産省とインドネシア共和国林業省との間の行動計画」に基づく木材追跡システムの開発に関する協力、アジア森林パートナーシップを通じた関係国との違法伐採に関する情報交換、国際熱帯木材機関が実施する貿易統計の分析による違法に伐採された木材の取引実態の把握のためのプロジェクトに対する支援等の対策に取り組んでいるところであり、これらの取組により木材輸出国における違法伐採対策が進みつつあると考えている。

二の1について

 御指摘の香川県の詫間港における事例については、違法伐採の疑いのある木材が輸入されている旨環境保護団体から説明を受けたが、当該木材が違法に伐採されたものであるとの確認は困難であると判断したところである。

二の2から4まで及び五について

 違法に伐採された木材に対する輸入規制については、現時点においては規制に関する国際的合意ができていないことから、これを実施することは困難である。今後とも、あらゆる機会を通じて本件に関する国際的な合意の形成に尽力していくとともに、当該合意が得られた場合には、世界貿易機関の協定との整合性にも留意しつつ適切な措置を講じてまいりたい。

二の5について

 昨年七月のグレンイーグルズ・サミットの際に発表した「日本政府の気候変動イニシアティブ」において、政府調達の対象を木材輸出国の国内法に照らして合法的に伐採が行われたこと等が証明された木材とする措置を導入する旨を表明したほか、一についてで述べた対策を引き続き実施していく考えである。

三の1について

 木材輸出国の国内法に照らして合法的に伐採が行われた木材であるか否かの識別が困難であることから、違法に伐採された木材の取引実態を把握することは難しい状況であり、現在、木材輸出国の国内法に照らして合法的に伐採が行われた木材の追跡システムの開発等を進めているところである。

三の2について

 お尋ねの調査を実施するには、木材輸出国との合意が必要であり、我が国にあっては、現時点においてこのような調査は実施していない。

三の3について

 アジア森林パートナーシップ、森林法の施行とガバナンスに関する欧州・北アジア閣僚会合、国際熱帯木材機関理事会等の様々な国際会議の場において違法伐採に関する情報共有を行っており、今後とも、違法伐採の実態把握に努めてまいりたい。

三の4について

 お尋ねの合同調査を実施するためには、相手国との合意が必要であり、アジア森林パートナーシップ、国際熱帯木材機関等の既存の枠組みを利用して違法伐採の実態を把握する方が効果的であると考えている。

四の1について

 林野庁が作成した「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン(案)」(以下「ガイドライン」という。)については、平成十八年度以降、森林・林業関係団体、木材産業関係団体、環境保護団体、学識経験者等で構成される協議会を設け、木材・木材製品分野における関係者の取組状況を検証し、更に実効性が高いものとなるよう必要な見直しを行うこととしている。

四の2について

 平成十八年度のできる限り早期に、森林・林業関係団体、木材産業関係団体、環境保護団体、学識経験者等で構成される協議会を設置してまいりたい。

四の3について

 ガイドラインは、木材の供給者がその木材が合法的に伐採されたことの証明に取り組むに当たって留意すべき事項等を取りまとめたものであり、違法に伐採された木材の輸入規制を目的とするものではないが、ガイドラインに示された取組を推進することにより、合法的に伐採されたこと等が証明された木材の供給が増加することを期待している。