質問主意書

第164回国会(常会)

質問主意書


質問第六一号

憲法改正の議論と我が国安全保障政策の原則に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年六月一日

藤末 健三   


       参議院議長 扇 千景 殿



   憲法改正の議論と我が国安全保障政策の原則に関する質問主意書

 政府は、これまで、現行の日本国憲法第九条の規定の下では集団的自衛権の行使が認められないとの明確な見解を示すなど、現行憲法下における安全保障政策について一定の原則を確立している。
 しかし、現在各方面で進められている憲法改正の議論においては、既に政府が確立している安全保障政策の原則を大きく変更しかねない論点も多く含まれている。仮にこの議論のまま憲法第九条の改正が行われることがあれば、これまで積み重ねてきた我が国安全保障政策そのものの再構築を迫られることとなりかねないと懸念している。
 現行の日本国憲法下でまとめられてきた「非核三原則」「武器輸出禁止三原則」「宇宙の平和利用」「防衛費対GNP(GDP)一パーセント枠」などの我が国の安全保障政策についての原則や、集団的自衛権の行使を認めないとする現行の憲法解釈は、「国民主権」や「基本的人権の尊重」と並んで日本国憲法の立憲の精神である「平和主義」にかかわるものであって、仮に憲法第九条の改正を行うにしても当然には解消してはならないと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。