質問主意書

第164回国会(常会)

質問主意書


質問第五四号

韓国の地名についての日本政府の立場に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年五月二日

喜納 昌吉   


       参議院議長 扇 千景 殿



   韓国の地名についての日本政府の立場に関する質問主意書

 日本政府は先月、韓国政府が竹島近海の海底の地名を韓国名に書き換え、来月ドイツで開催される海底地形名称に関する国際会議にかける動きを示したのに際し、異議を唱え海上保安庁に竹島周辺海域での測量調査を命じた。また日本政府は、韓国政府が日本海を「東海」と呼ぶよう国際社会で主張しているのに対しても、かねがね反対してきた。
 しかるに、このような政府の立場に反するような地理的名称を閣僚が使用している事実があり、政府の立場と矛盾していると受け止められる。
 そこで、以下質問する。

一 麻生太郎外務大臣は、本年三月十三日の参議院予算委員会で、私が質問した日本政府の長期的政策・戦略についての答弁のなかで「韓半島」という言葉を使ったが、これは韓国政府が「朝鮮半島」を呼ぶ際の言葉である。日本では伝統的に「朝鮮半島」と呼んでいるが、なぜ麻生外務大臣は「韓半島」と呼んだのか、理由を明らかにされたい。

二 麻生外務大臣の他にも、「韓半島」という言葉を用いた閣僚がいる。閣議などで「韓半島」という言葉を使用すべきだというような申合せがなされたのか、明らかにされたい。

三 「韓半島」という言葉の使用の背景には、北朝鮮憎しゆえに「朝鮮半島」という言葉を使いたくないという心情も読み取れる。このような心情が「韓半島」発言に関係したか否かも明らかにされたい。

四 閣僚が「韓半島」という言葉を使ったのでは、「東海」や竹島周辺海域の海底地形の韓国式名称に反対する日本政府の立場は極めて曖昧になると考えるが、政府の見解を示されたい。

五 政府は、今後も閣僚が「韓半島」という言葉を使うことを認めるのか、それとも禁止するのか、明らかにされたい。

  右質問する。