質問主意書

第164回国会(常会)

質問主意書


質問第五〇号

高松塚古墳壁画損傷と隠蔽等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年四月二十日

前川 清成   


       参議院議長 扇 千景 殿



   高松塚古墳壁画損傷と隠蔽等に関する質問主意書

 本年三月八日の「高松塚古墳壁画保存等に関する質問主意書」で私が指摘したとおり、高松塚古墳壁画(以下「本件壁画」という。)は、現在を生きる我々だけでなく、後世にも伝えなければならない「宝」である。それゆえに、文化庁も本件壁画の保存に多額の税金を費してきた。
 ところが、今般、本件壁画の保存責任を負う文化庁が平成十四年一月二十八日に二回の事故(以下「本件事故」という。)を起こし本件壁画が損傷した事実を、文化庁が四年間にわたって隠蔽し続けてきたことが発覚した。
 あらためて本件壁画の保存に瑕疵はなかったかを明らかにするため、文化庁の対応について、以下質問する。

一 平成十四年一月二十八日当時、なぜ本件事故の発生を公表しなかったのか。

二 本件事故の発生を公表しないと決定した最高責任者はだれか。また、公表しなかったことに関して、だれが、どのような責任を負うのか。

三 本件事故によって生じた本件壁画の傷に、泥を水で溶かして塗りつけたのはなぜか。また、泥を塗りつけると決定した最高責任者はだれか。泥を塗りつけた目的・意図も併せて明らかにされたい。

四 事故後四年以上が経過した現在に至って、本件事故が公になった経緯を詳細に説明されたい。

五 今後予定されている修復作業において、本件事故と同種の事故は発生しないのか。また、事故防止のため、何らかの方策を講じるのか。

六 平成十三年二月、作業員が防護服を着ずに石室内に立ち入ったため、その後本件壁画近くの石室に大量のカビが発生した。

1 大量のカビが発生した原因は、防護服を着用せずに石室内に立ち入ったためと考えてよいのか。
2 大量のカビの発生は、本件壁画にどのような影響を与えたか。
3 防護服の着用に関して、どのようなルールが定められていたか。
4 なぜ、作業員は防護服を着用しなかったか。
5 作業員や管理責任者に対して、法的責任を追及したか。

七 本件壁画に関して、既に公になった事実以外には、もう隠蔽している事実はないか。

八 本件壁画に関する一連の問題(カビの発生を含めて)に関して、既に十分な説明責任は果たされたと判断しているか。

九 本件壁画に関する一連の問題(カビの発生を含めて)に関して、だれが、どのような責任を負うのか。

  右質問する。