質問主意書

第164回国会(常会)

質問主意書


質問第三五号

小型武器の規制に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十八年三月九日

藤末 健三   


       参議院議長 扇 千景 殿



   小型武器の規制に関する質問主意書

 二〇〇二年の国連事務総長報告によれば、自動小銃などの小型武器の使用により、毎年五〇万以上の人が殺されているという。このため、小型武器は「事実上の大量破壊兵器」と呼ばれている。
 小型武器は、冷戦後の紛争で主な武器として使用され、紛争を長期化、激化させるだけでなく、紛争終了後、人道援助や復興開発活動を阻害し、紛争の再発等を助長する原因にもなっている。
 我が国は、武器輸出を行っていない唯一の先進国である。また、国連総会において、小型武器決議案を提出するなど、国際世論の関心を高めるとともに、小型武器問題の解決に向けた道筋を提示してきたといえる。さらに今後も、我が国が国際社会を主導して、非合法に流通している小型武器を回収・破棄し、また、流通の国際規制を実現することが国際貢献として求められると考える。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 我が国は、「国連小型武器行動計画」の地域レベルでの着実な履行のため、カンボジア、シエラレオネなどにおける小型武器回収プロジェクトや、アジア・太平洋地域におけるワークショップ、セミナーの開催などのさまざまな貢献を行っている。今後も、このような活動をより一層加速することによって我が国が小型武器の規制に主導的な役割を果たすべきと考えるが、政府の具体的方策について明らかにされたい。

二 政府開発援助(ODA)大綱には、重点課題の一つに「平和の構築」を掲げている。その中では「例えば・・・地雷除去を含む武器の回収及び廃棄などの国内の安定と治安の確保のための支援、さらに経済社会開発に加え、政府の行政能力向上も含めた復興支援を行う。」とされているが、ODAをどのように活用するかの具体性にやや欠ける嫌いがある。
 また、ODA大綱においては、援助政策の立案及び実施体制に関して非政府組織(NGO)等の内外の援助関係者との連携に触れている部分はあるものの、特に「平和の構築」に関してNGOとどのような連携を図っていくのかは具体的に明らかではない。そこで、ODAの活用及びNGOとの連携について、政府の見解を明らかにされたい。

三 国際的な軍縮の取組として、国際的な武器移転の基本的な枠組みを定めた武器貿易条約(ATT)の検討が進められている。そこで、政府は、今年六月に開催される国連小型武器再検討会議において、ATTの原則が今後の小型武器行動計画に盛り込まれるように、働きかけるべきではないか。また、ATT以外の国際的な軍縮への取組についても、どのように貢献していくのか、見解を示されたい。

  右質問する。