第164回国会(常会)
質問第五号 日米安全保障協議委員会の中間報告に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成十八年一月二十五日 糸数 慶子
参議院議長 扇 千景 殿 日米安全保障協議委員会の中間報告に関する質問主意書 在日米軍の再編協議に関し、日米安全保障協議委員会が平成十七年十月二十九日に発表した「日米同盟・未来のための変革と再編(仮訳)」(以下「中間報告」という。)は、地元の沖縄県をはじめ名護市など関係市町村に対し一切の事前説明もなくまとめられたものである。その結果、中間報告の発表後、沖縄県や名護市など関係する市町村は在日米軍の再編に対し一斉に反発し、特に名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸への新たな基地建設に関しては受入れを拒否している。 日米両政府は、本年三月末とされる再編協議の最終報告に向け、協議を重ねている段階ではあるが、中間報告には、地元側の意向や法的根拠を無視した表記がある。 そこで、以下質問する。 一、中間報告の第三章「兵力態勢の再編」の2項「再編に関する勧告」の文中において、「閣僚は、地元との調整を完了することを確約するとともに…」と表記されているが、この「調整」とはいかなる意味を有するのか示されたい。 二、同2項は勧告であることから、「閣僚は、地元との調整を完了することを確約する」とは、地元の理解が最優先され、その理解が確約されない限りにおいて、本年三月までとされる最終報告は取りまとめられないとの趣旨であると読み取れるが、政府の見解を示されたい。 三、同2項の「兵力削減」では、第三海兵機動展開部隊司令部のグアムへの移転に関し、「日本国政府は、このような兵力の移転が早期に実現されることへの沖縄住民の強い希望を認識しつつ、米国政府と協力して、これらのグアムへの移転を実現可能とするための適切な資金的その他の措置を見出すための検討を行う」と表記されているが、法的には米軍の移転に関し、その経費等を日本政府が支出する根拠はない。「資金的その他の措置を見出すための検討」とは、どのような意味を持ち、内容を含むのか、具体的に明らかにされたい。 四、日米が合意した米軍普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への移設に伴い、公有水面埋立て許認可権を県知事から国に移すための特別措置法案について、一月二十三日の衆議院本会議における代表質問の際、長島昭久議員の質疑に対して小泉内閣総理大臣は「検討しているということはない」と答弁している。この答弁については、政府として特別措置法案の提出を考えていないと理解してよいのか。 右質問する。 |