質問主意書

第163回国会(特別会)

答弁書


答弁書第二一号

内閣参質一六三第二一号
  平成十七年十一月十一日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員浅尾慶一郎君提出公務員共済年金制度の在り方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浅尾慶一郎君提出公務員共済年金制度の在り方に関する質問に対する答弁書

一について

 平成十五年度末現在において、国家公務員共済年金及び地方公務員共済年金における退職年金並びに厚生年金における老齢年金の受給者に係る老齢基礎年金の額を含まない年金総額、受給者数及び当該年金総額を当該受給者数で除した額の十二分の一の額は、国家公務員共済年金における退職年金にあっては一兆三千六百五十七億七千七百九十八万円、六十六万七百二十九人及び十七万二千二百五十六円であり、地方公務員共済年金における退職年金にあっては三兆五千八百八十一億六百十一万五千円、百五十八万五千四百三十三人及び十八万八千五百九十八円であり、厚生年金における老齢年金にあっては十九兆六百八十五億八千百三十一万五千円、千七百十六万六百九十五人及び九万二千五百九十八円である。

二について

 国家公務員共済年金及び地方公務員共済年金について、平成十五年度及び平成十六年度の各年度におけるすべての年金に係る追加費用の額は、国家公務員共済年金にあっては五千百八十七億円及び四千九百十八億円であり、地方公務員共済年金にあっては一兆三千三百五十二億円及び一兆二千四百六十五億円である。
 また、平成十五年度において、国家公務員共済年金及び地方公務員共済年金について、すべての年金に係る年金総額から追加費用の額を控除した金額を受給者数で除した額の十二分の一の額は、国家公務員共済年金にあっては十一万八百九十八円であり、地方公務員共済年金にあっては十二万六百三十二円である。

三について

 平成十六年度までの各年度における国家公務員共済年金及び地方公務員共済年金のすべての年金に係る追加費用の額の総額は、国家公務員共済年金にあっては十三兆七千八百四十三億円であり、地方公務員共済年金にあっては三十五兆二千二百四十億円である。
 また、平成十七年度以後の各年度における国家公務員共済年金及び地方公務員共済年金のすべての年金に係る追加費用の額の総額は、国家公務員共済年金にあっては七兆四千億円(平成十六年度末時点の価値に換算した価額(以下「平成十六年度末現価額」という。)は、五兆六千億円)と、地方公務員共済年金にあっては十九兆八千億円(平成十六年度末現価額は、十四兆八千億円)と見込まれる。
 なお、郵政事業特別会計又は日本郵政公社が平成十六年度までの各年度において負担した国家公務員共済年金に係る追加費用の額の総額は、過去において郵政事業特別会計が負担した追加費用の額が把握できない年度があることから不明であり、平成十七年度以後の各年度において日本郵政公社等が負担することとなる追加費用の額の総額は、二兆千億円(平成十六年度末現価額は、一兆六千億円)と見込まれる。

四について

 政府においては、被用者年金制度の一元化等に関する関係省庁連絡会議を設置し、現在、被用者年金制度の一元化を進める上での課題に関する処理方針等について検討を行っているところであり、被用者年金制度の一元化の具体的な姿が明らかになっていない段階での答弁は、差し控えたい。

五について

 国家公務員共済年金の年金額の算定の基礎となる平均標準報酬月額は、当該年金額の算定の基礎となる組合員期間の各月の標準報酬の月額を平均した額であるが、このような標準報酬制は、昭和六十一年四月一日から導入されたものである。
 このため、昭和六十一年四月一日の前日において組合員であった者で同日以後引き続き組合員であるものについて同日まで引き続く組合員期間に係る平均標準報酬月額を計算する場合においては、同日前の標準報酬の記録がないことから、その者の同日前の組合員期間のうち昭和五十六年四月一日以後の期間で昭和六十一年四月一日まで引き続いているものの各月における掛金の標準となった俸給の額の合計額を当該期間の月数で除して得た額に補正率(行政職俸給表(一)の適用を受ける組合員の俸給に対する報酬(俸給と諸手当の合計額)の標準的な割合を基礎として、同日前五年間における掛金の標準となった俸給の額の平均額に対する同日まで引き続く組合員期間に係る平均標準報酬月額に相当する額の標準的な比率に相当するものとして、組合員期間の年数に応じて定めた比率)を乗じて得た額をもってその者の同日まで引き続く組合員期間の計算の基礎となる各月における標準報酬の月額とみなすこととされている。
 また、地方公務員共済年金の年金額の算定についても、同様の取扱いとなっている。

六の1について

 五についてで述べた算定方法は、昭和六十一年四月一日まで引き続く組合員期間に係る平均標準報酬月額を計算するためのものであって、その算定方法によって当該年金受給者に恩給制度が適用されていた当時の俸給の額を算定することは妥当でなく、当該俸給の額が不明であることから、御指摘の事例の場合において、納付されるべきであった保険料の総額を算定することは困難である。

六の2について

 御指摘の事例について、一定の前提のもとで算定した場合の退職共済年金の年額は百四十五万二千七百円となり、そのうち恩給期間に係る追加費用の額は、恩給期間が十年の場合は三十六万三千百七十五円となり、恩給期間が二十年の場合は七十二万六千三百五十円となる。
 また、保険料総額については、六の1についてで述べたとおり、当該年金受給者に恩給制度が適用されていた当時の俸給の額が不明であることから、算定することは困難である。

七について

 国家公務員共済年金及び地方公務員共済年金に係る追加費用については、共済年金制度創設時に従来の恩給制度、退職年金条例制度等から社会保険方式による共済年金制度に切り替えられた際、恩給制度、退職年金条例制度等の期間に係る年金額の費用について、切替え前と同様、法律に基づいて国庫、地方公共団体等が負担していくこととされているものであり、妥当なものと考えている。