質問主意書

第163回国会(特別会)

答弁書


答弁書第一四号

内閣参質一六三第一四号
  平成十七年十一月四日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員藤末健三君提出集団的自衛権についての政府見解等に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出集団的自衛権についての政府見解等に関する再質問に対する答弁書

 集団的自衛権に関する政府の憲法解釈の変更についての考え方は、御指摘の答弁書で述べたとおりである。
 なお、憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、憲法第九条のように議論の積み重ねのあるものについては、全体の整合性を保つことにも留意して、論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えており、仮に、政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないと考えられるところである。