質問主意書

第163回国会(特別会)

質問主意書


質問第一五号

有価証券報告書における情報開示と個人情報保護に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十七年十月二十六日

藤末 健三   


       参議院議長 扇 千景 殿



   有価証券報告書における情報開示と個人情報保護に関する質問主意書

 個人情報の保護に関する法律等の施行を受け、民間企業、官公庁のいずれかを問わず、社会全体として個人情報保護意識の向上と対策の充実が求められている。しかし、既存の法制度の中には、必ずしも個人情報保護への配慮が十分とは言えないものも残っている。
 その一つとして、証券取引法に基づく有価証券報告書が挙げられる。具体的には、証券取引所に上場されている有価証券等を発行する会社は、証券取引法第二十四条の規定に基づき、事業年度ごとに、当該会社の商号、当該会社の属する企業集団及び当該会社の経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項を掲載した有価証券報告書を提出しなければならない。それを受け、企業内容等の開示に関する内閣府令第十五条では有価証券報告書の記載内容等を様式として定めているが、その中に「大株主の状況」として、大株主の氏名・名称のみならず住所も記入することとなっている。
 そこで、以下質問する。

一 有価証券報告書に、大株主の住所を記載しなければならない理由は何か。また、大株主の住所が公益又は投資者保護のため必要かつ適当な事項と言えるのか。

二 大株主の状況が当該会社の財務情報として重要であることは理解するが、住所を含めて情報を開示することは、資産を有する大株主の個人情報の保護、ひいては大株主及びその関係者の安全確保の観点から大きな問題があると考える。個人情報保護の観点から大株主の住所の記載義務を無くすことの必要があると考えるが、何らかの検討を行っているのか。検討を行っているのであればその経過を、行っていないのであればその理由を明確に示されたい。

  右質問する。