質問主意書

第163回国会(特別会)

質問主意書


質問第九号

集団的自衛権についての政府見解等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十七年十月十三日

藤末 健三   


       参議院議長 扇 千景 殿



   集団的自衛権についての政府見解等に関する質問主意書

 集団的自衛権については、これまでの国会における答弁や、質問主意書に対する答弁書等において、我が国が有する自衛権はあくまで個別的自衛権であり、集団的自衛権の行使は憲法の容認する自衛権の限界を超えるとの政府見解が示され、その解釈が既に定着している現状にある。
 そこで、改めて集団的自衛権についての政府の見解をただしておきたいので、以下質問する。

一 昭和五十六年十一月十三日に政府から提出された「参議院議員秦豊君提出集団的自衛権の解釈に関する質問に対する答弁書」においては、「我が国が、国際法上、集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であるが、憲法第九条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであつて、憲法上許されないと考えている。」との見解を示しているが、このような憲法第九条の解釈・運用は、将来変更されることはないか。

二 この答弁書において、「政府としては、このような見解を従来から一貫して採つてきているところであり、これを改める考えはない。」としているが、この政府見解を変更しないことを担保した法令等の規定は既に存在するのか。

三 政府の憲法に関する解釈・運用が変更された事例は、過去にあるか。

四 政府は、昭和五十六年五月二十九日に提出した「衆議院議員稲葉誠一君提出『憲法、国際法と集団的自衛権』に関する質問に対する答弁書」において、集団的自衛権を「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもつて阻止する権利」としているが、北大西洋条約における集団的自衛権とはその内容に異なる点があるのか。また、異なる場合、その相違点によって、我が国の安全保障政策に問題が生じることはあるのか。

  右質問する。