質問主意書

第163回国会(特別会)

質問主意書


質問第四号

アメリカ海兵隊普天間航空基地の代替基地建設に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十七年九月二十八日

喜納 昌吉   


       参議院議長 扇 千景 殿



   アメリカ海兵隊普天間航空基地の代替基地建設に関する質問主意書

 二〇〇五年九月二十三日のワシントン発共同通信記事によると、アメリカ国防総省当局者はこのほど、アメリカ海兵隊普天間航空基地の代替基地を、沖縄県名護市辺野古海岸のイノー(珊瑚礁湖)内の浅瀬を埋め立てて建設する案を、最優先で検討すべきだとの立場を明らかにした。
 ついては、以下質問する。

一 政府は、以上のようなアメリカ政府当局者の表明に対し、どう回答するのか。政府はまた、日本の珊瑚礁の海を埋め立てるという自然破壊を認める意思があるのか。

二 珊瑚礁湖埋め立て案など数種類の代替基地建設案が出ているが、その多くは建設業者などによる利権あさりの狙いが濃厚である。沖縄県民の願いは、代替基地建設なしの普天間基地の宜野湾市への返還である。海兵隊の沖縄常駐は不必要というのが、軍事専門家らのほぼ一致した意見である。政府は、なぜ海兵隊の沖縄常駐の必要性についての根本的疑問をアメリカ政府に対し呈さないのか。

三 普天間基地返還問題は、一に沖縄県民世論に立って、政府が政策を定め、それに従ってアメリカ政府に代替基地建設なしの普天間基地全面返還を求めるべきである。なぜ政府は、沖縄県民の利益に沿って政策を定め、これに基づいてアメリカ政府に普天間基地の無条件返還を要求しないのか。いたずらに米軍戦略・米軍利権に従って代替基地建設を認めるとすれば、政府は行政責任を回避したことになる。この点をどう捉えるのか示されたい。

四 国庫は超巨額の赤字に苛まれている。普天間基地代替基地建設は、他の多くの「公共事業」同様に、無用の「利権金食い虫」である。財政赤字削減の視点からも代替基地建設案は葬り去るべきだと考えるが、この点でも政府の考えを示されたい。

  右質問する。