質問主意書

第162回国会(常会)

答弁書


答弁書第五三号

内閣参質一六二第五三号
  平成十七年八月十二日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員藤末健三君提出交通安全対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出交通安全対策に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの施策に関し、関係省庁別にお答えすると、警察庁の施策としては、交通の安全を確保するため、道路の設計速度、交通事故発生状況、交通安全施設の整備状況、沿道環境等の諸条件を勘案して、最高速度規制を実施している。また、最高速度規制をより明確にするため、道路標識の高輝度化、大型化を行うなど標識の視認性の向上に努めている。
 また、交通事故に直結する悪質で危険性の高い違反に重点を置いて、最高速度違反の取締りを推進しており、平成十六年中の取締りの件数は、二百八十一万九千六百五十五件であった。
 さらに、速度超過に起因する重大事故が多発する路線等において、一定速度以上の高速走行車両を検出した場合、警告板による警告等を行う高速走行抑止装置の整備を推進し、最高速度違反の取締り等に活用している。
 国土交通省の施策としては、大型貨物自動車(車両総重量八トン以上又は最大積載量五トン以上の貨物自動車をいう。以下同じ。)を対象として、高速道路における制限速度の遵守と事故の防止を図るため、道路運送車両の保安基準(昭和二十六年運輸省令第六十七号。以下「保安基準」という。)を改正し、速度が九十キロメートル毎時を超えた場合に、運転者がアクセル操作を行っても加速できなくなる速度抑制装置(スピードリミッター)の装着を義務付け、平成十五年九月一日から施行しているところである。

二について

 速度抑制装置の導入については、一についてで述べたとおり既に大型貨物自動車を対象として、装着を義務付けている。

三について

 保安基準においては、必要な信号灯火との誤認を避けるため、点滅する灯火として備付けが認められた方向指示器等以外は自動車に点滅する灯火を装備することは禁止されている。また、色の制限及び光度の制限があるほか、自動車の運転を妨げる灯火の装備が禁止されているところである。このため、御指摘の「車両を実現化する場合」、これらの規制に抵触するおそれがある。

四について

 お尋ねの飲酒運転を防止するための装置であるいわゆるインターロックについては、米国の一部の州において、飲酒運転の違反者の再犯防止のための罰則の代替手段として位置付けられていると聞いているが、このような装置については、吹き込んだ呼気が運転手のものであることを正確に特定できること等の有効性は確認されていないと承知している。

五について

 お尋ねの緊急時にブレーキペダルの踏力の不足を補助するいわゆるブレーキアシストについては、装置の性能を評価する方法の調査及び研究並びに効果の検証等を行っているところである。

六について

 第七次交通安全基本計画(平成十三年三月十六日中央交通安全対策会議決定)第一部第一章第二節の四、八等において、道路交通安全等に関する研究開発の推進及び普及について明示しており、このような研究開発の推進及び普及については、今後とも重要なものと認識している。