質問主意書

第162回国会(常会)

答弁書


答弁書第二七号

内閣参質一六二第二七号
  平成十七年六月十四日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員足立信也君提出十八歳未満に保障されている児童デイサービスの小学校卒業時打ち切りに関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員足立信也君提出十八歳未満に保障されている児童デイサービスの小学校卒業時打ち切りに関する再質問に対する答弁書

一について

 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号。以下「法」という。)に基づく児童デイサービスは、日常生活における基本的な動作の指導及び集団生活への適応訓練の実施を行うことを目的としているが、このような目的を達成するためには、心身の発達が著しく、また、適切な親子関係の形成等により社会性や情緒の安定等をはぐくむ基礎的な時期である幼児期に療育を行うことが特に効果的であると考えており、早期療育の観点から積極的に取り組むことが望ましい対象児童の範囲を示すため、「児童デイサービスに係る居宅生活支援費の支給等の対象となる児童について」(平成十五年六月六日付け障発第○六○六○○一号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知。以下「部長通知」という。)において、国が政策的に推進する児童デイサービスとしては、通園による指導になじむ幼児を原則としてその対象とし、事業の目的、地域の実情等諸般の実情を考慮して市町村(特別区を含む。以下同じ。)が適当と認める小学校又は盲学校、聾学校若しくは養護学校の小学部に就学している児童(以下「小学生」という。)もその対象とすることができる旨を示しているところである。
 十三歳から十八歳未満までの障害児に対する児童デイサービスによる訓練の効果は、幼児期と比較すると限定的であると考えているが、部長通知は、十三歳から十八歳未満までの障害児を一律に法の児童デイサービスの対象から除外する旨を示すものではなく、早期療育の観点から積極的に取り組むことが望ましい児童デイサービスの対象者を示したものである。
 なお、部長通知において早期療育の観点から積極的に取り組むことが望ましい児童デイサービスの対象者として示したものについては、「在宅心身障害児(者)福祉対策費補助金の国庫補助基準について」(昭和六十年十二月二十三日厚生省発児第百七十八号)に基づき、国が予算補助を行う場合の補助対象としているところである。

二から五までについて

 部長通知は、一についてで述べたように早期療育の観点から効果が高いと考えられる児童デイサービスの対象を示したものであり、御指摘のように行政府の判断で法律の規定を読み替えて、その対象を小学生以下に限定したものではないが、御指摘のような疑義を生じることがないよう、その表現を見直すなどの方法により、部長通知の趣旨の徹底を図ってまいりたい。

六について

 市町村は、法第二十一条の十一第二項の規定に基づき、児童福祉法施行規則(昭和二十三年厚生省令第十一号)第二十一条に定める事項を勘案して居宅生活支援費の支給の要否を決定するものとしており、同条第七号では「当該申請に係る児童居宅支援の提供体制の整備の状況」が定められているところ、市町村が、利用可能な十三歳から十八歳未満までの障害児に係る児童デイサービスの提供体制が整備されていないことから、居宅生活支援費の支給の決定を行わなかったとしても、法に違反するものではないと考えているが、利用可能な十八歳未満までの障害児を対象とした児童デイサービスを行う提供体制が実際に整備されている場合に、児童デイサービスに係る居宅生活支援費の支給について、市町村の裁量で一律に年齢制限を加えることは、法律上認められないと考えている。

七について

 お尋ねの児童デイサービスに係る居宅生活支援費の支給を小学校卒業時に打ち切っている市町村及び十八歳になるまで支給している市町村については、承知していない。