質問主意書

第162回国会(常会)

答弁書


答弁書第二二号

内閣参質一六二第二二号
  平成十七年六月三日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員犬塚直史君提出被爆二世の健康診断の充実に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員犬塚直史君提出被爆二世の健康診断の充実に関する質問に対する答弁書

一について

 広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の放射能による「被爆二世」への遺伝的影響(以下単に「遺伝的影響」という。)については、これまで財団法人放射線影響研究所において調査研究が行われてきたが、遺伝的影響があるという科学的知見は得られていない。このため、厚生労働省健康局総務課では、現在のところ、「被爆二世」には放射能に起因する健康被害はないと考えており、遺伝的影響があることを前提とした施策も行っていないところである。

二について

 政府としては、御指摘の附帯決議の趣旨を尊重して努力する考えであり、財団法人放射線影響研究所における遺伝的影響に関する調査研究に対して補助を行うとともに、都道府県知事、広島市長及び長崎市長に委託して被爆二世健康診断調査事業を実施している。

三について

 御指摘の「昭和四九年以来被爆世帯の健康調査に関する研究を実施」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、これまでの財団法人放射線影響研究所における遺伝的影響に関する調査研究については、統計学的な手法を用いて行われてきているところであり、これを行う上で、必ずしも「被爆二世・三世」の総数を把握する必要はないものと考えている。

四について

 被爆二世健康診断調査事業において健康診断を実施しているが、一についてで述べたように、遺伝的影響があるという科学的知見は得られていないことから、その内容にがん検診は含まれていない。