質問主意書

第162回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三号

内閣参質一六二第一三号
  平成十七年四月二十六日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員喜納昌吉君提出国連人権委員会におけるキューバ人権非難決議等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員喜納昌吉君提出国連人権委員会におけるキューバ人権非難決議等に関する質問に対する答弁書

一について

 本年の国際連合人権委員会(以下「人権委員会」という。)においてアメリカ合衆国が提出した「キューバにおける人権状況」に関する決議案については、我が国は、キューバに対して、国際社会と協力しつつ人権状況を改善するよう促すとの立場から、欧州諸国、オーストラリア、カナダ等とともに共同提案国となり、採決に際しては賛成したものである。

二について

 アメリカ合衆国は、人権委員会における手続に従い、特定国の人権状況を審議するために設けられた「世界各地における人権及び基本的自由の侵害の問題」という議題の下で、他の共同提案国とともに本件決議案を提出したものであり、そのことに特段の問題があったとは考えていない。

三について

 本年の人権委員会においてキューバが提出した「グアンタナモ米国海軍基地における被抑留者の問題」に関する決議案については、人権委員会における特定国の人権状況に関する決議案は、通常は当該特定国の全般的な人権状況を取り扱うものであるとの従来の慣行に沿うものではないと考えられることを踏まえ、反対した。

四について

 本年の人権委員会に提出された「現代的形態の人種主義、人種差別、外国人排斥及び関連する不寛容の助長に資する許容すべきでない特定の慣習」に関する決議案については、我が国としては、同決議案の基本的な考え方にはおおむね賛同できるものの、同決議案の内容の一部について、表現の自由等との関係で問題の生じるおそれが否定できないことを踏まえ、棄権したものである。