第162回国会(常会)
質問第三九号 在沖米陸軍複合射撃訓練場に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成十七年七月十五日 糸数 慶子
参議院議長 扇 千景 殿 在沖米陸軍複合射撃訓練場に関する質問主意書 沖縄県金武町に所在する在沖米軍基地のキャンプ・ハンセン内に設置された米陸軍複合射撃訓練場(以下「訓練場」という。)では、平成十七年六月二十七日の米軍側による演習実施日の通知以来、七月十二日になって沖縄県読谷村のトリイ通信施設所属の第一特殊作戦群第一大隊が演習を実施した。 訓練場は、沖縄県下においては「都市型戦闘訓練施設」と呼称し、その呼称が示すとおり、都市における対テロ・対ゲリラ戦を想定した実弾射撃訓練施設であり、その危険性は極めて高い。そのため、訓練場に隣接する金武町伊芸区の地域住民は、建設段階から訓練場の撤去を強く求め、阻止運動を展開してきた。 それにもかかわらず、付近住民の切なる訓練場撤去の願いを無視し、実射訓練が強行されたことは極めて遺憾であり、許すことはできない。直ちに実射訓練等を中止すべきである。 訓練場は、キャンプ・ハンセン内のレンジ4に建設されている。訓練場を使用するのは米陸軍のトリイ通信施設所属の第一特殊作戦群第一大隊で、通称グリーンベレーと称している。総工費は約四億円とされる。 問題なのは、訓練場が住宅地域に近く、沖縄の幹線道である沖縄自動車道から約二百メートルしか離れていないことである。屋外の実射訓練は、沖縄自動車道と平行に近い角度で発射されるようである。角度を間違えると、沖縄自動車道を走行中の車が被弾するおそれがあり、危険な施設と指摘されている。 さらに、金武町伊芸区の住宅地域にも約三百メートルと近く、この施設を使用した過去の米海兵隊の訓練では、山火事の発生や流れ弾等の被弾があったことから伊芸区の住民は決死の覚悟で阻止運動を行っている。 このような訓練場の抱える危険な状況を沖縄県及び金武町、さらに日本政府においても十分に認識し、今年四月には日米両政府間で、レンジ4における訓練場をレンジ16に移設することで合意した。 以上の経過等を踏まえ、以下質問する。 一、レンジ16における代替施設にかかる建設費は、日米のどちらが負担するのか。日本政府が負担するのであれば、その予算はどのような措置でなされるのか。 二、レンジ16における代替施設建設の着工から竣工までの工期を明らかにされたい。 三、レンジ16における訓練場の施設等の規模を明らかにされたい。 四、レンジ16における代替施設の完成までの間のレンジ4の取り扱いについて日米両政府間でどのような取り決めがなされたのか。 五、レンジ16における代替施設が完成した後、レンジ4内の建物等の施設はどのように処理されるのか。代替施設が完成したのであれば撤去が当然と考えられるが、日米両政府間で何らかの取り決めをしたのかどうか、示されたい。 右質問する。 |