質問主意書

第162回国会(常会)

質問主意書


質問第三〇号

拘置所における妊娠・出産前後の未決勾留者に対する待遇の運用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十七年六月十三日

福島 みずほ   


       参議院議長 扇 千景 殿



   拘置所における妊娠・出産前後の未決勾留者に対する待遇の運用に関する質問主意書

 未決勾留者は、刑事裁判において確定判決がなされる前の者であって、その待遇は「推定無罪」を大原則とするものである。
 未決勾留者の中には妊娠中又は出産後に勾留される事例もあるが、この場合にあっても出産及び育児に関しては母子の健康や人権等に十分な配慮が払われなければならない。そこで、妊娠・出産前後の未決勾留者に対し、拘置所においてどのような待遇を行っているのかを明らかにするため、以下質問する。

一、妊娠している未決勾留者に対して、どのような健康管理体制を実施し、医師の診察やカウンセリング、指導等はどのように行っているのか。その頻度及び具体的な内容についても明らかにされたい。

二、出産直前期においては、破水等の緊急事態の発生に備え医療の即応体制が求められるが、妊娠した未決勾留者を収容する拘置所においては、どのような医療体制を採っているのか。拘置所内部はもとより、外部医療機関との連携も含めて現状を詳細に示されたい。

三、出産時及び出産直後において、未決勾留者が出産した新生児はどのように保護され、母親である未決勾留者との間の授乳機会の保障など母子関係の保護についてどのように配慮されているのか、具体的に明らかにされたい。

四、出産後、母親である未決勾留者が出産した子供の育児に関与できるよう、拘置所においてどのように配慮しているのか、具体的に明らかにされたい。

五、母子健康保健法においては母性の保護や乳幼児の保護等が規定されており、また、児童福祉法においては児童の健全育成の必要性や国及び地方公共団体の児童の健全育成の義務がうたわれている。未決勾留者に関する妊娠・出産前後の時期を通じて採られている措置について、これらの法の趣旨は具体的にどのように反映されているのか示されたい。

六、未決勾留者に対し無罪の推定が働いていることと、未決勾留制度の趣旨及び円滑な刑事裁判手続の要請との両立を具体的にどのように図っているか示されたい。

七、妊娠中の未決勾留者と配偶者及び配偶者以外の親族との面会に関し、どのように配慮されているのか、具体的に示されたい。

  右質問する。