質問主意書

第161回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四号

規制改革・民間開放推進会議委員の資質に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十六年十一月九日

櫻井 充   


       参議院議長 扇 千景 殿



   規制改革・民間開放推進会議委員の資質に関する質問主意書

 今般、各分野で様々な規制緩和がなされている。そのような中、平成十六年十月十二日に開催された規制改革・民間開放推進会議(宮内義彦議長(オリックス株式会社取締役兼代表執行役会長))において、経済の活性化や消費者(国民)のニーズに貢献するという観点から、会議の基本方針の一部として提出された資料の中に「薬局・薬店以外のコンビニエンスストア、チェーンストアなどの一般小売店における医薬品の販売については、本年七月三十日に実施された「医薬部外品へ移行した上での販売解禁(三百七十一品目)」に止まることなく、医薬品そのものを、特例販売業や配置販売業と同様、一部については販売可能とする。」とした規制緩和策が打ち出されている。
 宮内氏は、現在の会議の前身である規制緩和委員会(後の規制改革委員会)の委員長に平成十年二月五日選出され、平成十三年三月末に委員会が廃止されるまで務め上げた。さらに、平成十三年四月一日に発足した総合規制改革会議、平成十六年四月一日に発足した規制改革・民間開放推進会議においてもそれぞれ議長に選ばれた。このことからわかるように、政府において規制改革を司る会議の長を宮内氏が継続して務めている。
 一方、宮内氏が会長を務めるオリックスグループに所属する医療関連企業二社(株式会社サンリース、医療産業株式会社)の過去五年間の業績を見ると、株式会社サンリースの営業収入は平成十一年三月期に七十八億円、平成十五年三月期に百一億円となっており、同様に医療産業株式会社については平成十一年三月期に七億一千万円、平成十五年三月期に八億六千万円と、両社とも平成十一年三月期と平成十五年三月期を比較すると増収となっている。
 このことは、政府の政策を国民の利益で決定する会議の長の立場を利用して、特定の企業の利益を図ることが可能となる状況、すなわち「利害の抵触」が発生していると言わざるを得ない。残念ながら政府はこうした「利害の抵触」という問題についての精神が欠落している人選を行っているのではないか。
 以上のことから、以下質問する。

一 政府は「利害の抵触」をどのように考えているのか、明確に見解を示されたい。

二 宮内氏の場合、一に対する答弁で政府が示した「利害の抵触」に当たらないのか、明確に見解を示されたい。

三 現在の会議の前身である規制緩和委員会から規制改革に関する会議の長として宮内氏が継続して就任している間、関連会社の業績が急激に伸びている。これは宮内氏が関連会社に有利な取り計らいをしている疑惑があるのではないか。これについて、政府の見解を示されたい。

四 三で述べたように、自分が関連している企業の利益誘導に貢献している疑いのある宮内氏を、規制改革に関する会議の長として選出しているのは問題ではないか、政府の見解を示されたい。

五 宮内氏がなぜ、当初の規制緩和委員会の委員として任命されたのか、理由を明確に示されたい。

六 三及び四で述べた疑惑が確実となった場合、政府はどういった責任を取るのか、政府の見解を示されたい。

七 宮内氏の他に、規制改革・民間開放推進会議委員の中で、一に対する答弁で政府が示した「利害の抵触」に当たる者はいるか。

八 他の審議会・私的諮問会議でも三及び四で述べたような会議の内容と自分が関連する企業について、「利害の抵触」が発生している可能性があると考えられるにもかかわらず、その会議に委員等として参加している者はいるのか。いるのであれば会議の名称及びその者の氏名を明らかにするとともに、その者が関連する企業の名称及び委員在任中の業績の推移をどのように把握しているか示されたい。

  右質問する。