質問主意書

第160回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一〇号

内閣参質一六〇第一〇号
  平成十六年八月十日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員山本孝史君提出社会保険庁のホームページにおける「年金額簡易試算」の誤表示に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本孝史君提出社会保険庁のホームページにおける「年金額簡易試算」の誤表示に関する質問に対する答弁書

一について

 社会保険庁のホームページに掲載している「年金見込額試算」のコーナー及び「年金額簡易試算」の内容について、責任を有する部署は、社会保険庁社会保険業務センター中央年金相談室である。

二について

 公的年金制度に対する理解の促進と年金相談サービスの向上を図ることを目的として、平成十四年四月三十日から「年金額簡易試算」を社会保険庁のホームページに掲載し、平成十六年一月十三日から「年金見込額試算申込」を掲載し、双方を合わせて「年金見込額試算」のコーナーとしたものである。

三について

 「年金額簡易試算」のプログラムの作成については、社会保険庁のホームページの運営を委託している事業者(以下「委託事業者」という。)にその作成を委託し、社会保険庁の指示に基づき、当該委託事業者が仕様及びプログラムの作成並びにプログラムを検証するための試験を行い、納品後においてプログラムの内容が指示どおりであるかどうかを社会保険庁において検証したものである。

四について

 「年金額簡易試算」のプログラムの作成は、三についてで述べたとおり、委託事業者に委託したものである。「年金額簡易試算」をインターネット上に開設するに当たっては、既に開設されていた社会保険庁のホームページを拡張する方法を用いることが効率的であったところ、当該委託事業者は、社会保険庁のホームページの前身である年金ホームページの企画及び作成を行った実績もあることから、作成を短期間で行うことができ、かつ内容の正確性の確保の観点からも十分信頼できる業者として選定したものである。また、当該委託事業者の社会保険庁からの受注実績については、「雇用保険法等の改正に伴う経過措置にかかる対応について等のシステム設計業務」、「農林年金の厚生年金統合にかかる追加開発等のシステム設計業務」等の受注実績を有している。また、「年金額簡易試算」のプログラムの作成に要した日数は、百六十二日であり、費用は五百二十五万円である。

五について

 「年金額簡易試算」は、平成十四年四月三十日から社会保険庁のホームページに掲載しているところである。これを訂正するまでの期間は、「年金額簡易試算」の掲載を開始した平成十四年四月三十日から平成十六年七月七日までの間である。この間の利用者数(「年金額簡易試算」へのアクセス件数)は、二百五十六万七千三十四件である。

六について

 「年金額簡易試算」のプログラムの検証作業については、テストデータの入力に基づき試算結果及び動作状況について確認を行い、試算結果に誤りがないことを確認していたが、作業の途上で、社会保険庁において「年金額簡易試算」の入力画面における国民年金の加入期間に係る入力指示内容の記述に誤った修正を行ってしまったにもかかわらず、修正後の入力指示内容の記述と当該プログラムとの突合及び確認を怠り、国民年金の保険料免除期間がある方の年金額簡易試算に誤りが生じることとなったが、これを改善する機会を逸した結果、外部から指摘されるまで対応が遅れたものである。

七について

 「年金額簡易試算」のプログラムは、三についてで述べたとおり、委託事業者へ発注して作成したものである。
 また、当該プログラム以外にも「雇用保険法等の改正に伴う経過措置にかかる対応について等のシステム設計業務」、「農林年金の厚生年金統合にかかる追加開発等のシステム設計業務」等を当該委託事業者に発注しているところであり、これらのプログラムについても、納品後において内容が社会保険庁が作成した基本計画書の内容どおりであるかどうかについて社会保険庁において適切に検証を行っている。

八について

 公的年金制度は高齢期の生活の基本的な部分を支えるものであることから、誤った試算結果を表示したことは誠に遺憾であると考えており、社会保険庁においては、外部から指摘のあった当日に入力指示内容の記述を訂正するとともに、おわびを社会保険庁のホームページに掲載したところである。今後とも、関係職員に対し、職務の遂行に際し遺漏のないよう徹底していくことにより、再発防止に努めるとともに適正な事業運営に努めてまいりたい。

九について

 「誤りに対するお詫び」は、社会保険庁のホームページのトップページのトピックスに掲載することが、最も広く周知できる方法であると判断したものであるが、御指摘の方法も含めて、更に利用しやすいホームページの作成に努めてまいりたい。