質問主意書

第160回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七号

内閣参質一六〇第七号
  平成十六年八月十日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員平野達男君提出配偶者暴力防止法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員平野達男君提出配偶者暴力防止法に関する質問に対する答弁書

一について

 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律(平成十六年法律第六十四号)による改正後の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(平成十三年法律第三十一号。以下「新法」という。)第二条の二において、主務大臣は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めることとされており、現在、政府において、地方公共団体、民間団体等からヒアリングを行うとともに、ホームページ等を通じて広く意見を募集するなど、基本方針策定のための準備を行っているところである。

二について

 新法においては、職務関係者による配慮等について定めた第二十三条の規定において、被害者の人権を尊重するに当たり、国籍、障害の有無等を問わない旨が規定されたところである。
 外国籍の被害者に配慮した措置としては、内閣府のホームページにおいて八か国の言語により配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する制度の概要について情報の提供を行うとともに、各都道府県警察においては外国籍の被害者に対し外国語の会話能力を有する職員が対応するよう努めている。また、東京、大阪等の法務局等においては「外国人のための人権相談所」を開設しており、さらに、厚生労働省においては各都道府県の婦人相談所における相談等に必要な通訳等の費用を予算に計上しているところである。政府としては、今後とも外国籍の被害者に対して必要な配慮をしてまいりたい。

三について

 政府においては、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律第二十五条の規定に基づき、加害者の更生のための指導の方法について調査研究を推進しているところである。
 加害者の更生のための指導としてどのようなものが有効であるかについては未解明な部分が多く、また、実施の方法によっては、加害者が更生のための指導を受けていることにより事実に反して加害者が更生したとの誤った認識を被害者等に対して与えるおそれもあるため、加害者の更生のための指導の方法については、被害者の保護を図る観点からも、今後、更に検討を深めていく必要があると考えているところであり、現段階において「具体的な加害者更生プログラムの導入の是非」についてお答えすることは困難である。