質問主意書

第160回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一二号

日本人外交官殺害事件の被害車両の取扱いに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十六年八月五日

若林 秀樹   


       参議院議長 扇 千景 殿



   日本人外交官殺害事件の被害車両の取扱いに関する質問主意書

 昨年十一月二十九日にイラクにおいて発生した日本人外交官殺害事件をめぐっては、外務省・警視庁を中心に各種調査・捜査が継続中とされているが、依然として犯人の特定・拘束に向けた具体的な動きが見られていない。
 去る四月五日の参議院イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会において、その時点までの警察の捜査結果の主な要点が、「被害者が乗車していた車両の検証、日本人外交官二人の司法解剖、採取された金属片、その他、入手した証拠資料に関する捜査を行った結果の概要」として、警察庁警備局長による答弁の中で示された。
 また、答弁とほぼ同内容の書面が「イラクにおける外務省職員殺害事件の捜査状況について」と題する文書として作成されているが、いずれも要点のみを示したもので、しかも使用銃器や具体的な被弾状況の詳細が明らかにされていない等、多数の疑問点や不明点を含んでいる。
 右記の答弁・文書に関して私が提出した第百五十九回国会質問第二二号に対する答弁も、極めて不十分かつ不誠実な内容であり、特に、犯人特定のための最も重要な証拠資料である被害車両に関する警察当局の調査・検証不足が真相解明の重大な障害とならないか、大いに懸念される結果となった。
 そこで、真相究明に向けて、以下の各事項について質問する。

一 被害車両の保管について

 犯人特定・拘束の見通しが立つまでの当面の間、現状を保存した状態で被害車両を保管しておくべきであると考えるが、現在の保管状況を示されたい。また、今後の保管方法を具体的にどのように検討しているかを明らかにされたい。

二 被害車両の公開について

 真相究明に有識者の専門的な見識を最大限生かすために、御遺族の感情にも配慮した上で、被害車両を可能な限り公開すべきと考えるが、具体的にどのような方針で取り組んでいくのか。

  右質問する。