質問主意書

第159回国会(常会)

答弁書


答弁書第二三号

内閣参質一五九第二三号
  平成十六年六月二十九日
内閣総理大臣 小泉 純一郎   


       参議院議長 倉田 寛之 殿

参議院議員大渕絹子君提出日本郵政公社設立時の会計に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大渕絹子君提出日本郵政公社設立時の会計に関する質問に対する答弁書

一について

 旧郵政事業特別会計、旧郵便貯金特別会計及び旧簡易生命保険特別会計(以下「旧三特別会計」という。)並びに旧簡易保険福祉事業団(以下「旧事業団」という。)の平成十五年三月三十一日現在の貸借対照表(以下「旧三特別会計等貸借対照表」という。)に計上された資産(旧郵政事業特別会計にあっては貸借対照表の借方の科目に計上されたもののうち物品価格調整引当金以外のものを、旧郵便貯金特別会計にあっては貸借対照表の資産勘定に計上されたものを、旧簡易生命保険特別会計にあっては貸借対照表の借方の科目に計上されたものをいう。以下同じ。)又は負債(旧郵政事業特別会計にあっては貸借対照表の借入資本及び未整理出納官吏に計上されたものを、旧郵便貯金特別会計にあっては貸借対照表の負債勘定に計上されたものを、旧簡易生命保険特別会計にあっては貸借対照表の保険契約準備金及び未払金に計上されたものをいう。以下同じ。)のうち、旧簡易生命保険特別会計の旧事業団に対する出資があったこと、旧簡易生命保険特別会計の旧郵政事業特別会計及び旧事業団に対する貸付けがあったこと、旧郵便貯金特別会計及び旧簡易生命保険特別会計の旧事業団に対する寄託があったこと、旧郵便貯金特別会計及び旧簡易生命保険特別会計の旧郵政事業特別会計に対する繰入れがあったこと並びに旧三特別会計及び旧事業団の間におけるその他の債権債務で決済されていないものがあったことにより、日本郵政公社(以下「公社」という。)の成立の時における貸借対照表(以下「成立時貸借対照表」という。)には資産又は負債として計上されていないものの価額及びそれが含まれる旧三特別会計等貸借対照表の科目は、別表第一のとおりである。

二について

 旧三特別会計の平成十五年三月三十一日現在の貸借対照表に計上された資産又は負債のうち、日本郵政公社法施行法(平成十四年法律第九十八号。以下「施行法」という。)第五条の規定により公社に承継されたもの以外のものの価額及びそれが含まれる旧三特別会計等貸借対照表の科目は、別表第二のとおりである。
 なお、旧事業団の資産及び債務は、施行法第六条第一項の規定により、旧事業団が解散した時において公社に承継されており、国に承継されたものはない。

三について

 公社の会計は、日本郵政公社法(平成十四年法律第九十七号)第二十九条の規定により、企業会計原則によることとされており、それに伴って、公社に承継される資産又は負債については、旧三特別会計等貸借対照表に計上された資産又は負債であって企業会計原則によれば貸借対照表に計上すべきでないものは成立時貸借対照表には計上せず、旧三特別会計等貸借対照表には計上されていない資産又は負債であって企業会計原則によれば貸借対照表に計上すべきものは新たに成立時貸借対照表に資産又は負債として計上し、旧三特別会計等貸借対照表では純額により計上された資産又は負債であって企業会計原則によれば総額で計上すべきものは成立時貸借対照表では総額により計上し、旧三特別会計等貸借対照表では総額により計上された資産及び負債であって企業会計原則によれば純額により計上すべきものは成立時貸借対照表では純額により計上している。
 このような考え方に基づき、旧三特別会計等貸借対照表に計上された資産又は負債であって成立時貸借対照表に計上されていないものの価額及びそれが含まれる旧三特別会計等貸借対照表の科目は別表第三のとおり、旧三特別会計等貸借対照表には計上されていない資産又は負債であって新たに成立時貸借対照表に計上されたものの価額及びそれが含まれる成立時貸借対照表の科目は別表第四のとおり、旧三特別会計等貸借対照表では純額により計上された資産又は負債であって成立時貸借対照表では総額により計上されているもの及び旧三特別会計等貸借対照表では総額により計上された資産又は負債であって成立時貸借対照表では純額により計上されているものの旧三特別会計等貸借対照表における価額と成立時貸借対照表における価額の差額及びそれが含まれる旧三特別会計等貸借対照表の科目はそれぞれ別表第五及び別表第六のとおりである。

四について

 公社に承継された資産(日本郵政公社法施行規則(平成十五年総務省令第四号)附則第三条第二項の規定により成立時貸借対照表の資産の部に計上することを要しないこととされた物品を除く。)及び負債(以下「承継財産」という。)の価額は、総務大臣が任命した評価委員が、施行法第七条の規定に基づき、その種類、用途その他の事項を勘案して時価によることが適当でないと認められるものを除き、平成十五年四月一日現在における時価を基準として評価したものである。
 評価委員が評価した承継財産の価額と、旧三特別会計等貸借対照表における当該承継財産の価額の差額は、別表第七のとおりである。

五について

 お尋ねの「損益計算」とは、旧三特別会計等貸借対照表に計上された資産及び負債の価額と成立時貸借対照表に計上された資産及び負債の価額との差額の内訳を指すものと考えられるところ、当該差額及びそれが生じた事由ごとの内訳は、別表第八のとおりである。

六について

 国の会計や特殊法人等の間で資産等が承継される場合に、承継前の会計基準等と承継後の会計基準等が異なること等によって発生する財務諸表上の計数等の違いは、合理的に説明できるものでなければならないことは当然である。
 また、このような資産等の承継が行われる場合には、国の会計や特殊法人等において、それぞれに適用される会計基準等に基づき、適正に財務諸表上の処理がなされることになる。

別表第一 旧三特別会計等貸借対照表に計上された資産又は負債のうち旧簡易生命保険特別会計の旧事業団に対する出資があったこと等により成立時貸借対照表には計上されていないものの価額等

別表第二 旧三特別会計の貸借対照表に計上された資産又は負債のうち公社に承継されたもの以外のものの価額等

別表第三 公社に承継される旧三特別会計等貸借対照表に計上された資産又は負債であって企業会計原則によることに伴って成立時貸借対照表には計上されていないものの価額等

別表第四 公社に承継される旧三特別会計等貸借対照表に計上されていない資産又は負債であって企業会計原則によることに伴って新たに成立時貸借対照表に計上されたものの価額等

別表第五 旧三特別会計等貸借対照表では純額により計上された資産又は負債であって成立時貸借対照表では総額により計上されているものの旧三特別会計等貸借対照表における価額と成立時貸借対照表における価額の差額等

別表第六 旧三特別会計等貸借対照表では総額により計上された資産又は負債であって成立時貸借対照表では純額により計上されているものの旧三特別会計等貸借対照表における価額と成立時貸借対照表における価額の差額等

別表第七 評価委員の評価した承継財産の価額と旧三特別会計等貸借対照表における当該承継財産の価額との差額

別表第八 旧三特別会計等貸借対照表に計上された資産及び負債の価額と成立時貸借対照表に計上された資産及び負債の価額との差額及びその内訳