質問主意書

第159回国会(常会)

質問主意書


質問第一七号

学校法人東北文化学園大学への監督及び国庫補助に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十六年四月二十六日

中村 敦夫   


       参議院議長 倉田 寛之 殿



   学校法人東北文化学園大学への監督及び国庫補助に関する質問主意書

 宮城県仙台市で大学や専門学校を運営している学校法人東北文化学園大学(以下「本学校法人」という。)をめぐり、前理事長の所得隠し、仙台育英学園高等学校による生徒の大量受験問題、大学設置認可の虚偽申請疑惑など、不祥事が多発している。
 これらが仮に事実だとすれば、私立学校行政上、看過できるものではない。
 よって、次の事項について質問する。なお、同様の文言が並ぶ場合でも、各項目ごとに平易な文章で答弁されたい。

一、政府は、学校法人の透明性と管理運営制度の改善を目指し、私立学校法の一部を改正する法律案を今国会に提出した。しかし、本学校法人をめぐる一連の不祥事を見ると、国庫補助を受給している学校法人の運営について、財務情報のコピーを可能にするなど、透明性をより強化することが急務であると思われるが、どうか。

二、本学校法人は、一九九七年に大学設置認可を政府に申請した際、実際には寄付を受けていないのに寄付があるかのように装ったり、同一筆跡の寄付申込書が多数見つかったりするなどの疑いを持たれている。この疑いを解明するため、本学校法人の寄付者リストが全面的に明らかにされるべきと考えるが、どうか。

三、本学校法人は、寄付に関する疑惑のほか、一九九七年の大学設置認可申請に関連した土地売買契約についても、架空だったのではないかとの疑いを持たれている。これらの問題が事実と判明した場合、東北文化学園大学の設置認可を根本的に見直すべきではないか。

四、そもそも政府は、本学校法人の偽装寄付疑惑及び土地売買疑惑について、寄付元や契約相手などを照合するような詳細な調査を実施したのか。実施したならば、問題の起きた理由について、政府の見解を示されたい。実施していないならば、なぜ実施しないのか、その理由を示されたい。

五、本学校法人のように多数の不祥事及び疑惑を指摘される学校法人に対し、国庫補助を行うことについて、政府の見解を示されたい。また、補助金返還を求めたり、認可を取り消したりすることもあるのか、不祥事等へのペナルティについても併せて示されたい。

六、私は、本学校法人に関するこれらの不祥事等について、文部科学省から「事案に応じた対処」をするとの見解を文書で得ている。どのような「対処」をするのか、具体的に示されたい。

七、東北文化学園大学は、現在のところ福島県郡山市において薬学部の設置を目指している。しかし、東北文化学園大学が多数の不祥事及び疑惑を指摘されていることから、開設に当たっての前提が崩れていると思われるがどうか。

八、本格的な少子化時代を迎え、学生の取り合いが始まることから、本学校法人のように不祥事や疑惑を指摘される大学が増えると予想される。政府は、今後どのようにして大学経営を監視していくのか、具体的な対策を示されたい。また、大学の開設及び学部等の増設に関する認可の在り方についても見直すべきではないか。

  右質問する。