質問主意書

第157回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四号

福岡県警察における「カジノバー汚職事件」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十五年十月六日

平野 貞夫   


       参議院議長 倉田 寛之 殿



   福岡県警察における「カジノバー汚職事件」に関する質問主意書

 二〇〇一年十二月から昨年七月にかけて摘発された福岡県警察における「カジノバー汚職事件」(以下「本事件」という。)について、次のとおり質問する。

一、本事件の捜査から公判に至る経緯等について

1 本事件の捜査の端緒並びに各被疑者の逮捕日時、送検日時及び被疑事実をそれぞれ示されたい。
2 本事件の送検までの捜査経過を明らかにされたい。
3 本事件の各被疑者に対する起訴又は不起訴処分の別及びその理由並びに起訴された各被告人の公訴事実、公判経過及び判決内容をそれぞれ示されたい。
4 本事件において、警察官の各被疑者が汚職に至った経緯について、政府はどのように考えるか。
5 本事件が発生した福岡県警察の組織及び体質について、どのような問題点があったのか明らかにされたい。

二、内部告発について

1 報道によれば、一九九六年ごろ、福岡県警察の内部からカジノバー経営者らと県警警察官の癒着を指摘する動き(いわゆる内部告発)があったとされる。具体的には、博多警察署に勤務していた現職警察官より、九五年から九六年にかけて、上司を通じて複数の捜査報告書が福岡県警察本部に提出されているが、同本部は「当時裏づけ調査を行ったが、事実を確認できなかった」として、捜査は行われなかったとのことである。その経過について明らかにされたい。また、提出された捜査報告書はその後保存されているのか否かについて、廃棄されたのであればその時期も併せて示されたい。
2 この内部告発について、福岡県警察本部は当時調査(捜査)を尽くしたか否かを示されたい。
3 この内部告発に及んだ警察官はその後、不利益な取扱いを受けていないか。また、内部告発と前後して当該警察官は博多警察署から筑紫野警察署に異動になっているが、本事件の内偵捜査と何らかの関係があるのか。
4 内部告発については、現在、法整備も進められており、告発者保護の気運が高まっているようであるが、政府はどのように考えているか。

三、汚職の再発防止について

1 福岡県警察は汚職の再発防止に向けて、どのような取組を続けているか。
2 本事件に伴う福岡県警察関係者の処分について、具体的にそれぞれ処分理由も含めて明らかにされたい。
3 本事件に関する処分者はその後の昇進や人事異動で、処分を受けなかった能力同程度の警察官よりもマイナス評価されているか否か、具体的に説明されたい。
4 本事件に関する処分者の中に処分を受けながら、あたかも処分を受けなかったかのような昇進を遂げた警察官はいないか。
5 警察不祥事が相次ぎ、国家公安委員会が発足させた「警察刷新会議」が不祥事の再発防止策を検討していた期間に、本事件で起訴された各被告人の公訴事実記載の犯罪が行われていたことについて、政府としてどのように考えているか。
6 本事件を含め、警察不祥事が続発しているところであるが、これまで講じられてきた警察不祥事の再発防止策を示されたい。また、政府はその効果をどのように考えているか明らかにされたい。

  右質問する。