質問主意書

第156回国会(常会)

質問主意書


質問第二六号

アユ冷水病に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十五年四月二十四日

中村 敦夫   


       参議院議長 倉田 寛之 殿



   アユ冷水病に関する質問主意書

 アユ冷水病(以下「冷水病」という。)は、一九八七年に徳島県の養殖場において、初めて感染が確認された。しかし、冷水病に感染したアユ種苗の放流について規制がなされなかったため、全国的に発生域が拡大している。また、アユだけでなく二十一魚種において、冷水病への感染が確認されている。
 冷水病は、アユなどを大量死に至らせるため、漁業協同組合の遊漁権の売上げが減少するなど、社会問題化している。また、河川生態系の生物多様性を確保する上からも、冷水病は深刻な問題であると言える。
 以上の観点から、次の事項について質問する。なお、同様の文言が並ぶ場合でも、各項目ごとに平易な文章で答弁されたい。

一、水産庁は、琵琶湖産アユの冷水病感染を、全国の内水面漁業協同組合に知らせたのはいつか。通知者名と併せて示されたい。

二、冷水病は、琵琶湖産アユの放流事業によって、一九九〇年代に全国へ拡大したと疑われている。しかし、琵琶湖産アユへの冷水病感染を確認した後も、当面の間、これを全国の内水面漁業協同組合に知らせなかったと聞くが、その理由を示されたい。また、これが事実であれば、冷水病の拡大を黙認した水産庁、滋賀県及び全国内水面漁業協同組合連合会の責任は、重大であると考えるが、どうか。

三、冷水病の拡大を防ぐため、冷水病に感染したアユ種苗の放流を、早急に法令で規制すべきであると考えるが、どうか。

四、アユ以外の魚種が冷水病に感染した原因について、冷水病に感染したアユ種苗の放流が原因と考えられるが、どうか。

五、冷水病の発生した国内すべての場所について、発生状況を年度別・魚種別に示されたい。

  右質問する。