質問主意書

第154回国会(常会)

質問主意書


質問第三二号

公務職場における臨時・非常勤職員等の実情に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十四年七月十八日

大脇 雅子   


       参議院議長 倉田 寛之 殿



   公務職場における臨時・非常勤職員等の実情に関する質問主意書

 少子・高齢社会において、人間の尊厳にふさわしい福祉の実現と社会の活性化を図るためにも、長期にわたる経済の停滞等、克服すべき課題が多い下で、行政の担うべき責務はますます大きくなっている。
 しかし、この間、行政改革の一環として、国・地方それぞれの行政職場においては、定員削減政策が進められてきた。その結果、これらの国・地方それぞれの行政の果たすべき役割にかんがみると、正規職員のみならず、臨時・非常勤職員等も国民・住民のために等しく重要な責務を担っているにもかかわらず、これらの職員等は給与・福利厚生等の労働条件や雇用保障の面で、非常に劣悪かつ不安定な状況にあることが指摘され続けてきた。
 そこで、国・地方それぞれの公務職場における、臨時・非常勤職員等の任用実態及び完全失業率が五%台に高止まりしている最近の著しい雇用情勢の悪化に対処するために採られている臨時的任用の実情等について、以下質問する。

一、臨時・非常勤職員等に対する政府の認識について

1 臨時・非常勤職員等については、定員削減政策の下、これまで正規職員が担ってきたような分野への配置が進み、結果としてその役割は高まっているが、一方で、過度の臨時・非常勤化は国民・住民に対する行政責任を果たす上において問題があると思われる。臨時・非常勤職員等の増加とその限界について、政府の見解を示されたい。
2 現実問題として、臨時・非常勤職員は正規職員同様、国民・住民のために等しく重要な職責を担っているが、その職責に見合った処遇がなされていないとの指摘がある。これらの職員の労働条件や雇用保障に関し、今後、改善していく考えがあるか、政府の見解を示されたい。

二、国レベルでの臨時・非常勤職員等の実情について

1 公務職場における臨時・非常勤職員等の職員数はどのような実情にあるか、各省庁別、国営企業等別に過去五年間について示されたい。
2 これらの職員の任用について、選考方法の実情を、年度途中の採用者を含め、示されたい。
3 これらの職員の任用実績のうち、この間の長期不況に対する雇用創出の意味で行われた数を1の区分に分けて示されたい。
 また、この数字と効果について、政府の評価を示されたい。

三、地方レベルでの臨時・非常勤職員等の実情について

1 公務職場における臨時・非常勤職員等については、地方公務員法上、(1)特別職非常勤職員(地方公務員法第三条第三項第三号)、(2)一般職非常勤職員(同法第十七条)、(3)条件付任用及び臨時的任用(同法第二十二条)、(4)再任用(同法第二十八条の四)の四類型があるが、それぞれの職員数を過去五年間について示されたい。
2 これらの職員の任用について、選考方法の実情を、年度途中の採用者も含め、1で挙げた四つの類型ごとに示されたい。
3 これらの職員の任用実績のうち、この間の長期不況に対する雇用創出の意味で行われた数を示されたい。とりわけ、地方における高い完全失業者の雇用対策の一方策として、正規職員の時間外・休日労働分の予算額を、緊急的任用に活用して、短期の有期雇用を図る事例がマスコミ等で取り上げられているが、この実情を示すとともに、これらの数字と効果について、政府の評価を示されたい。

  右質問する。