質問主意書

第152回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四号

年金福祉事業団の行った事業に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十三年八月九日

櫻井 充   


       参議院議長 井上 裕 殿


   年金福祉事業団の行った事業に関する質問主意書

 年金福祉事業団(以下「事業団」という。)は、昭和六十一年度に資金の自主運用を開始し、平成十一年度には借入残高は二十七兆円に達した。事業団の大規模年金保養基地(グリーンピア)事業は結局、年金の運用資金からの借入も返せず赤字を計上し続けている。これでは同事業の施設の買取り手が無いのは当然で、壮大な無駄を生み出したと言わざるを得ない。
 そこで、以下質問をする。
 なお、答弁に当たっては国会法第七十五条第二項前段の趣旨を踏まえて対応されたい。

一 事業団は、全国十三か所のグリーンピアに年金資金を累計でいくら投入したか。土地取得と建物建設費のほか、特別会計の出資金・交付金を含めて総額を示されたい。

二 グリーンピアが企業会計になっていないのはなぜか。外部の者の監査によって作成された会計を公表すべきではないか。また、企業会計方式で会計が作れるのであれば、グリーンピアの事業が始まってから今までのものを示されたい。

三 年金の積立金を旧資金運用部が運用するよりも、事業団が旧資金運用部から借り入れて独自に運用した方が利益が得られると判断したのはなぜか。事業団が資金の運用を失敗して、平成十二年に二兆三千億円も損失を被ったことの原因は、資金を運用した事業団の無能力に帰せられるのか否か。また、いつどのようにしてこの損失を回復するつもりか、政府の見解を示されたい。

四 運用を失敗した最終的な責任は誰がどのように取るのか。責任を取るのか取らないのかということと、責任を取るべき個人名を必ず示されたい。

五 事業団は住宅融資を社団法人全国年金住宅融資法人協会(全住協)を通じて行っている。この全住協に所属し実際融資業務を行っている全五十三法人は収益が上がらないにもかかわらず資産が増加しているとのことであるが、この理由は何か。

六 問五中の五十三法人の、設立時と直近の資産状況の分かる決算書を示されたい。

七 年金資金運用基金(基金)の森仁美現理事長は、平成七年七月に環境庁事務次官を退官、その後全住協や日本船員住宅協会の役員を経て、平成九年二月に事業団の理事長に就任している。事務次官退職時から現在に至るまで、右に挙げたものを含む所属したすべての団体等で受け取った退職金(基金の場合、任期まで勤めた場合のもの)と、退職時の年収を示されたい。

  右質問する。