第151回国会(常会)
答弁書第三五号
内閣参質一五一第三五号 平成十三年六月二十六日 内閣総理大臣 小泉 純一郎
参議院議員海野義孝君提出少額訴訟手続等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員海野義孝君提出少額訴訟手続等に関する質問に対する答弁書 一について 少額訴訟手続とは、訴訟の目的の価額が三十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、原則として、一回の口頭弁論期日で審理を完了し、口頭弁論の終結後直ちに判決の言渡しを行う手続をいう。この少額訴訟手続は、司法を国民に利用しやすいものにするという理念に基づき、簡易裁判所の管轄に属する訴訟事件の中でも、特に少額であり、しかも、複雑困難でないものについて、迅速かつ効果的な解決をするための手続として、現行民事訴訟法(平成八年法律第百九号)において創設されたものである(同法第六編)。
二について 内閣に設置された司法制度改革審議会が本年六月十二日に取りまとめた意見書において、「少額訴訟手続は、利用者から高い評価を受けており、国民がこの手続をより多く利用しうるようにする見地から、少額訴訟手続の対象事件の範囲については、それを定める訴額の上限を大幅に引き上げるべきである。」との提言がされている。
三について 現行民事訴訟法の立案の際には、当時の民事裁判実務の運用状況について幅広く情報を収集して、それらを立案に当たっての基礎資料として活用し、現行民事訴訟法の施行後は、実務の運用状況を見守ってきたところであるが、今後とも、民事裁判法制に関する法整備を行うに当たっては、民事裁判実務の運用状況について積極的に情報を収集し、立案に当たっての基礎資料としていく所存である。 四について 内閣に設置された司法制度改革審議会は、平成十二年十二月から本年三月までの間、関係省庁、最高裁判所等が参加する勉強会を開催し、裁判所と裁判外紛争処理機関の連携等について意見交換を行った。同審議会は、その結果も踏まえて審議を行い、本年六月十二日に内閣に提出した意見において、裁判外紛争解決手段の拡充及び活性化に向け、裁判所や関係機関等の連携を促進するための体制を整備するとともに、裁判外紛争解決手段の利用の促進及び裁判手続との連携の強化のための基本的な枠組みを規定する法律の制定も視野に入れて必要な方策を検討すべきであるとしている。なお、国民生活センター等においても、本年二月以降、東京簡易裁判所との間で、相互の連携の強化等を目的とする意見交換を実施していると承知している。
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