第151回国会(常会)
答弁書第二三号
内閣参質一五一第二三号 平成十三年五月二十五日 内閣総理大臣 小泉 純一郎
参議院議員海野義孝君提出医療機関における医療行為以外のサービスの普及と向上に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員海野義孝君提出医療機関における医療行為以外のサービスの普及と向上に関する質問に対する答弁書 一及び二について 御指摘の「医療行為以外のサービス」の定義が必ずしも明らかではないが、医療機関においては、医師、看護婦等が提供する医療及びこれに付随する受付等のサービスの外に、患者に対するレクリエーションの提供を始めとする様々なサービス(以下「患者サービス」という。)がボランティア等によって提供されている場合が少なくない。このような患者サービスは、医療提供体制や医療保険制度に係る法令で定型的に定めるような性質のものではないと考えており、それぞれの医療機関の実情に応じた形で提供されているものである。
三及び四について 平成九年度の厚生科学研究費補助金により行われた「病院ボランティアの現状とその保健医療における役割に関する調査」(以下「病院ボランティア調査」という。)によれば、公的医療機関を含む三百三十三病院におけるボランティアの導入状況は、導入済みが四十三パーセント、導入検討中が二十三パーセント、未検討が三十四パーセントであり、また、導入済みの医療機関における平均導入期間は九・六年、主な活動内容は外来案内、入院患者の話相手等となっている。さらに、ボランティアが導入されているある国立病院の患者、ボランティア及び病院職員に対するアンケートでは、そのいずれもがボランティア活動の継続及び拡大を望んでいるとされており、ボランティア活動は患者サービスの充実に寄与しているものと認識している。 五から七までについて 療養環境の快適性の向上を求める国民の需要の高まりに応じて、患者サービスは一層多様化していくものと考えられ、このような患者サービスについては、画一的な普及を図るのではなく、それぞれの医療機関の実情に合わせて提供されていくことが重要であると考えている。
八について 御指摘の託児スペースは外来患者等の便宜を図る上で重要なものと考えられるが、それぞれの医療機関において、需要や設置可能な場所の有無等の実情を踏まえた上で、その設置についての検討が行われるべきものと考えている。なお、今後の国立病院等における医療サービスの在り方については、「国立病院等における医療サービスの質の向上に関する検討会」において検討を行っているところであり、その中で乳幼児及びその保護者等に対する配慮の在り方についても検討してまいりたい。 |