質問主意書

第150回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七号

内閣参質一五〇第七号

  平成十二年十二月十五日

内閣総理大臣 森 喜朗   


       参議院議長 井上 裕 殿

参議院議員櫻井充君提出建築基準法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員櫻井充君提出建築基準法に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「日照権」については、これがどのような内容及び法的性格を有するのかについて学説が分かれており、また、判例上も必ずしも明確にされていないものと承知している。したがって、このような状況において、御指摘の「日照権」を建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号。以下「法」という。)その他の法律に位置付けることは適当ではないと考えている。

二について

 法は、都市計画区域内において、道路を原則として幅員四メートル以上のものとし、敷地等と道路との関係、道路内の建築制限、前面道路の幅員による建築物の容積率の制限等を規定している。これらの規定は、主として建築物における利用上及び安全上の支障を防止する観点から円滑な道路交通の確保を図ることを目的の一つとしているものである。しかしながら、円滑な道路交通の確保は、建築物に対して規制を行うことのみによって達成されるものではない。したがって、御指摘のように建築物の付近に法第四十二条第二項の規定による道路があることのみをもって当該建築物に対して直接規制を行う制度を法に創設することは適当でなく、法を見直すことは考えていない。

三について

 良好な市街地を形成するためには、地方公共団体等において、各地域の実状に応じた取組を行うことが重要であると考えている。こうした取組の一つとして、法に基づく地区計画、建築協定等を活用して建築物に対して規制を行うことが可能であり、地方公共団体等において、これらの制度の適切な運用を図り、御指摘のような問題に対処することが望ましいと考える。