質問主意書

第150回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一五〇第四号

  平成十二年十月三十一日

内閣総理大臣 森 喜朗   


       参議院議長 井上 裕 殿

参議院議員齋藤勁君提出米軍夜間連続離着陸訓練及び相模総合補給廠における衛生演習に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員齋藤勁君提出米軍夜間連続離着陸訓練及び相模総合補給廠における衛生演習に関する質問に対する答弁書

一の1、2及び4について

 政府としては、米空母艦載機夜間着陸訓練(以下「NLP」という。)は、空母艦載機のパイロットの練度の維持及び向上、ひいては日米安保体制の効果的運用のために必要欠くべからざるものと理解している。また、硫黄島が本土から遠距離にあることによる即応態勢への影響、同島における悪天候等の理由から、NLPの一部を厚木飛行場等の本土の各飛行場で実施せざるを得ない場合もあると承知している。
 しかしながら、政府としては、平成十二年九月五日から八日までの間及び同月十八日から二十日までの間に厚木飛行場において行われたNLPについて周辺住民等から多くの苦情等が寄せられていること等から、騒音の影響については十分認識しており、今後とも、騒音の影響をできる限り軽減するため、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号)等に基づく航空機騒音対策事業の推進を図るとともに、米側に対し、できる限り多くのNLPを硫黄島において実施するよう申し入れてまいりたい。

一の3について

 三宅島は、厚木飛行場から約百五十キロメートルと比較的近距離に位置し、航空機の旋回コースを海上に設定することにより騒音の影響を最小限に抑えられること等から、政府としては、同島をNLPを行うための代替訓練場の適地と判断し、地元の理解を得られるよう努力を続けてきたところであるが、いまだ理解を得られていない。
 三宅島にNLPを行うための代替訓練場を設置することについては、同島は現在、活発な火山活動の影響から全島民が島外へ避難している状況にあり、火山活動の状況等を見守っているところであるが、同島は、代替訓練場の設置場所として立地条件が優れていることから、今後とも地元の理解が得られるよう努力していく考えである。

二について

 平成十二年八月二十七日から同年九月二日までの間に相模総合補給廠で行われた医療演習においては、太平洋地区における不測の事態、災害及び人道的救助に係る活動を支援し得る野戦病院の運用の訓練並びにその評価が行われたものと承知している。
 政府としては、同演習は、アメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)が、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)の目的を達成するため、部隊の練度の維持及び向上を図り、即応態勢を整えておくとの観点から行う必要な訓練の一環であると認識している。
 他方、米軍が訓練等の活動を行うに当たり、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払うべきことは当然であり、このことは、政府としても、米側に対して申し入れている。