第147回国会(常会)
答弁書第四八号
内閣参質一四七第四八号 平成十二年六月二十日 内閣総理大臣 森 喜朗
参議院議員福島瑞穂君提出厚木基地航空協定と米軍NLP及び曲技飛行に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員福島瑞穂君提出厚木基地航空協定と米軍NLP及び曲技飛行に関する質問に対する答弁書 一及び二について 厚木飛行場における騒音規制措置に関する日米合同委員会合意(以下「厚木騒音規制合意」という。)は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安保条約」という。)の目的達成を図りつつ、同飛行場におけるアメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)の航空機の運用による騒音の影響をできる限り軽減するために、日米両政府が最大限努力した結果取りまとめたものであって、御指摘のように「飛行制限時間をもっと長時間とする」ことは、米軍の活動に支障を及ぼすおそれがあることから困難であると考えており、これまでも政府としてこの点について日米合同委員会の議題としてこなかったところである。また、御指摘のように「除外規定の適用条件をより具体的にし、厳しい制限とする」ことについても、米軍の活動に支障を及ぼすおそれがあることから困難であると考えている。
三について 厚木飛行場における米軍の航空機の離発着回数全体については把握していないが、騒音の影響をできる限り軽減するための努力の一環として、米側に対し、これまで、できる限り多くの米空母艦載機夜間着陸訓練(以下「NLP」という。)を硫黄島において実施するよう申入れを行ってきている。米軍は、平成三年から硫黄島でのNLPを開始し、平成五年以降、硫黄島における悪天候、運用上の緊急の必要性等の理由から本土の飛行場において実施せざるを得ない場合を除き、NLPの大部分を硫黄島において実施してきており、この結果、厚木飛行場におけるNLPは減少したものと承知している。 四について 厚木騒音規制合意における御指摘のただし書の取扱いについては、地元の地方公共団体等及び米側の意向を聴取しつつ適切に対応してまいりたい。 五について 厚木騒音規制合意及び横田飛行場の騒音規制措置に関する日米合同委員会合意に関する米側との交渉経緯等の詳細については必ずしも明らかではないが、いずれの合意においても、飛行場周辺の航空機騒音の影響を軽減するとの観点から、曲技飛行は実施しないとしたものである。ただし、厚木飛行場については、厚木騒音規制合意を取りまとめる以前から、年間定期行事としての航空祭において曲技飛行のデモンストレーションが実施されていたこと等を踏まえ、厚木騒音規制合意において、年間定期行事として計画された曲技飛行のデモンストレーションは、例外としたものである。 六について 政府としては、これまで、地元の地方公共団体等の意向を踏まえ、日米合同委員会等の場を通じ、厚木飛行場の航空祭において曲技飛行を含めすべてのデモンストレーション飛行を中止するよう米側に対し申し入れているところである。 七について 政府としては、厚木飛行場の航空祭におけるデモンストレーション飛行の中止を申し入れるよう地元の地方公共団体等から要請された場合には、米軍に対し、このような地元の要請内容を伝えているところである。米軍としても、地元の地方公共団体の意向を十分理解しているものと承知しており、御質問にあるような委員会を設置するまでの必要はないと考えている。 |