質問主意書

第147回国会(常会)

答弁書


第百四十七回国会答弁書第四七号

内閣参質一四七第四七号

  平成十二年七月十八日

内閣総理大臣 森 喜朗   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員福島瑞穂君提出東京電力MOX燃料の品質保証確認に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員福島瑞穂君提出東京電力MOX燃料の品質保証確認に関する質問に対する答弁書

一の1及び2について

 通商産業省においては、東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)から、ベルギーのベルゴニュークリア社(以下「ベルゴ社」という。)においては、御指摘のようにウラン・プルトニウム混合酸化物(以下「MOX」という。)燃料ペレットの位置を変えるなどしてその外径を不正に計測することを防止するための機械的なシステムは備わっていないと聞いている。
 しかしながら、平成十二年二月二十四日に公表された東京電力の作成に係る「福島第一原子力発電所三号機並びに柏崎刈羽原子力発電所三号機用MOX燃料に関する品質管理状況の再確認結果について」と題する報告書(以下「東電報告書」という。)によれば、ベルゴ社においては、品質部門が製造部門から独立していること、MOX燃料ペレットの外径測定とその評価が別の人間によって行われていること、東京電力の社員等の立会いによる再度のMOX燃料ペレットの外径測定が行われていること、内部監査が計画的に実施されていること並びに従業員の教育及び訓練が適切に行われていることが確認されており、不正に対する抑止効果が働いていると考えている。
 なお、東電報告書は、ブリティッシュ・ニュークリア・フュエル・ピーエルシー社(以下「BNFL社」という。)におけるMOX燃料の品質管理に係るデータの不正問題にかんがみ、通商産業省から、東京電力に対し、念のためベルゴ社の品質管理状況を再確認するよう指示した結果作成されたものであり、そもそも、ベルゴ社に具体的な不正の疑義があるとして作成されたものではない。

一の3について

 通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社においては、福島第一原子力発電所三号機(以下「福島三号機」という。)用及び柏崎刈羽原子力発電所三号機(以下「柏崎刈羽三号機」という。)用MOX燃料ペレットについて、上・中・下部の三か所で外径を測定することは品質管理計画書に規定されているが、その具体的な測定位置を規定している文書はないと聞いている。

一の4及び5について

 通商産業省においては、東京電力から、御指摘の各データの一致度合いについては確認していないが、その理由は、東京電力としては、ベルゴ社においては、品質部門が製造部門から独立していること、MOX燃料ペレットの外径測定とその評価が別の人間によって行われていること、東京電力の社員等の立会いによる再度のMOX燃料ペレットの外径測定が行われていること、内部監査が計画的に実施されていること並びに従業員の教育及び訓練が適切に行われていることが確認されており、不正に対する抑止効果が働いていると考えられることから、御指摘の各データの一致度合いまで確認する必要がないと考えているからであると聞いている。

二の1について

 通商産業省においては、東電報告書によれば、ベルゴ社においては、MOX燃料ペレット製造時の外径の全数計測データは、製造工程における研削機の調整のために用いるデータであり、MOX燃料ペレットの品質保証のために用いるデータではないとされていることから、レーザ自動測定装置による具体的な計測方法については確認していない。

二の2から4までについて

 通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社においては、MOX燃料ペレット製造時の外径の全数計測データは、製造工程における研削機の調整のために用いるデータであり、MOX燃料ペレットの品質保証のために用いるデータではないので、保存されていないと聞いている。

二の5及び6について

 通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社においては、MOX燃料ペレットの外径の全数計測データの部分的記録及び平均値、標準偏差、分布のヒストグラム等が記された二次データについては、いずれも保存されていないと聞いている。

二の7について

 通商産業省においては、東京電力から、レーザ計測装置認定報告書は、ベルゴ社が、レーザ計測装置を設置するに当たり、その機能等を確認するための社内文書であり、当該装置により計測された福島三号機用及び柏崎刈羽三号機用MOX燃料ペレットの外径の計測データが記載又は添付されたものではないと聞いていることから、その内容を確認、検討していない。

二の8の(1)について

 通商産業省においては、いわゆる「植木鉢型」の形状をしたペレットが製造されたか否かについては確認していない。

二の8の(2)について

 通商産業省においては、東電報告書によれば、ベルゴ社においては、MOX燃料ペレット製造時の外径の全数計測データは、製造工程における研削機の調整のために用いるデータであり、MOX燃料ペレットの品質保証のために用いるデータではないとされていることから、レーザ自動測定装置による具体的な計測方法については確認していない。

二の9について

 通商産業省においては、東京電力から、東京電力は、柏崎刈羽三号機用MOX燃料ペレットについては、その製造開始時である平成十年六月以前に、また、福島三号機用MOX燃料ペレットについては、MOX燃料に関する品質管理状況の再確認を行う中で、平成十二年一月に、それぞれ、製造工程で外径の全数レーザ自動計測が行われていることを知ったと聞いている。通商産業省においては、東京電力から、柏崎刈羽三号機用MOX燃料ペレットについては平成十一年九月に、福島三号機用MOX燃料ペレットについては平成十二年一月に、それぞれ、製造工程で外径の全数レーザ自動計測が行われていることを聞いている。
 通商産業省においては、東京電力から、MOX燃料ペレットの外径の全数レーザ自動計測は、ベルゴ社の製造工程においてMOX燃料ペレットの研削機の調整のために行われているものであるところ、このような研削機の調整方法については、ベルゴ社内で決定する事項であり、その決定に当たり東京電力の了解を得る必要がないことから、福島三号機用MOX燃料ペレットについては、再確認の時点までこれを把握できなかったと聞いている。
 通商産業省においては、東京電力から、品質管理計画書は、当事者間における品質管理上の取決めを記載した文書であり、御指摘の点については記載されていないと聞いている。
 通商産業省においては、東京電力から、不合格ブレンダーは柏崎刈羽三号機用MOX燃料ペレットの製造時に発生していたが、それ以前から柏崎刈羽三号機用MOX燃料ペレットについては全数レーザ自動計測が実施されていることを知っていたと聞いている。

三の1について

 通商産業省においては、東京電力から、MOX燃料ペレットの抜取検査に係る規定はベルゴ社と東京電力の間で協議の上決めたものであり、その中のペレットの外径の検査方法については、抜取率についてのみMIL-STD-一〇五D(以下「MIL規格」という。)を参考に定めたと聞いている。

三の2の(1)について

 通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社の抜取検査におけるブレンダーごとのMOX燃料ペレットの抜取個数は三十二個以上と聞いているが、個々のブレンダーから実際に何個のMOX燃料ペレットが抜き取られて検査をされたかについては確認していない。

三の2の(2)及び(3)について

 通商産業省においては、ベルゴ社の抜取検査における抜取個数の種類及びその個数並びにブレンダーごとに抜取個数が異なる理由については、いずれも確認してない。

三の2の(4)について

 MIL規格及び日本工業規格Z九〇一五は、その規定と異なる検査方法を禁止しているものではなく、同一の判定基準を用いる限り、より多くの個数を抜き取り検査することは、より厳しい検査を行うことになると考えている。

三の2の(5)及び(6)について

 通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社の品質管理計画書には、ブレンダーごとのMOX燃料ペレットの抜取個数は三十二個と記載されているが、ベルゴ社においては、実際には、三十二個以上のMOX燃料ペレットを抜き取り検査していると聞いている。
 また、通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社の作業指示書には、各ブレンダーごとのMOX燃料ペレットの抜取個数が記載されていると聞いている。
 なお、通商産業省においては、ベルゴ社の品質管理計画書及び作業指示書については、いずれも直接は確認していない。

三の2の(7)について

 通商産業省においては、東京電力から、具体的な抜取個数についてはベルゴ社が決定しているが、その基準は承知していないと聞いている。

三の3について

 通商産業省においては、東京電力から、生産当初は、念のため、一ブレンダーから八十個以上のMOX燃料ペレットを抜き取り検査したが、これはMIL規格に従ったものではないと聞いている。

四の1について

 不合格ブレンダーの数については、これを公にすることにより、ベルゴ社の競争上の地位を害するおそれがあり、また、ベルゴ社に具体的な不正の疑義があるわけでもないことから、答弁を差し控えたい。

四の2及び4について

 通商産業省においては、東京電力から、一般に、ベルゴ社においては、不合格ブレンダーが発生した場合、必要に応じて原因調査及び是正措置を実施した後、当該ブレンダーのMOX燃料ペレットすべてを製造部門に戻し、再研削が必要と判断されたMOX燃料ペレットについては、再研削及び全数レーザ自動計測を実施した後、これを品質部門に引き渡し、再研削の必要がないと判断されたMOX燃料ペレットについては、全数レーザ自動計測を実施した後、品質部門に引き渡し、その上で、品質部門が再度抜取検査を行い、改めて合否判定を行うこととしており、柏崎刈羽三号機用の不合格ブレンダーの扱いについてもこれに従ったが、これはMIL規格に従ったものではないと聞いている。

四の3及び5について

 通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社においては、不合格ブレンダーが発生した場合の一般的処理手順を記載した書類はないが、具体的に不合格ブレンダーが発生した場合には、当該ブレンダーの処理手順及び結果を不適合報告書に記載していると聞いている。
 なお、通商産業省においては、ベルゴ社の不適合報告書については、これを直接確認する必要がないと考えている。

四の6の(1)及び(2)について

 通商産業省においては、東京電力から、御指摘の初検査及び再検査共に、その抜取個数は三十二個以上と聞いている。

四の6の(3)及び(4)について

 通商産業省においては、東京電力から、不合格ブレンダー発生以降の抜取検査の方法は、発生以前と同一であるが、これは、ベルゴ社と東京電力が協議の上でこのように取り決めたことによるものであり、MIL規格に従ったものではないと聞いている。

四の6の(5)について

 通商産業省においては、東京電力から、不合格ブレンダーの発生の前後で抜取検査の方法が同一であることは、品質管理計画書に記載されていると聞いている。
 なお、通商産業省においては、ベルゴ社の品質管理計画書については、直接確認する必要はないと考えている。

四の7について

 通商産業省においては、東京電力から、MOX燃料ペレットの抜取検査については、ベルゴ社との間で、一ブレンダー当たり三十二個以上を抜き取り、仕様を外れたペレットが一つでもあった場合には当該ブレンダーのすべてのMOX燃料ペレットを不合格とする、いわゆるゼロイチ判定を行うことを協議の上決めているところ、MIL規格の水準Iのゆるい検査の一回抜取方式においては、三十二個を抜き取ってゼロイチ判定を行った場合に対応するAQL(合格品質水準)が〇・一五%とされていることから、東電報告書において、「この抜取検査はAQL〇・一五%に相当」すると記載していると聞いている。

五について

 発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針(平成二年八月三十日原子力安全委員会決定)の指針一が対象としているのは、「安全機能を有する構造物、系統及び機器」であって、MOX燃料ペレットは対象ではない。

六の1について

 通商産業省においては、東京電力から、東京電力の社員等の立会いによる再度のMOX燃料ペレットの外径測定を行ったブレンダーの数は、福島三号機用が十四ブレンダー、柏崎刈羽三号機用が十九ブレンダーであったと聞いている。また、一ブレンダー当たりのMOX燃料ペレットの抜取個数は三十二個以上で、一ペレット当たりの測定点は一か所以上であったと聞いている。

六の2について

 通商産業省においては、東京電力から、東京電力の社員等の立会いによる再度のMOX燃料ペレットの外径測定における一ペレット当たりの測定点は一か所以上であったと聞いているが、この検査データについては、東電報告書の五十九ページに記載されているヒストグラムを確認している。

六の3及び4について

 通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社においては、製造確認試験が実施され、設計基準を満足するMOX燃料ペレットを製造できることが確認されているため、東京電力としては、東京電力の社員等の立会いによる再度のMOX燃料ペレットの外径測定においては、少なくとも一か所を測定すれば品質の確認を行うことができると考えられること及び立会いによる外径の再検査は一か所の測定でも不正に対する十分な抑止力があると考えられることから、一か所以上の不特定測定で足りると判断したと聞いている。
 なお、通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社においては、福島三号機用及び柏崎刈羽三号機用MOX燃料ペレットについて、上・中・下部の三か所の具体的な測定位置を定めた規定はないと聞いている。

六の5について

 通商産業省においては、東京電力から、東京電力の社員等の立会いによる再度のMOX燃料ペレットの外径測定に際しては、東京電力とベルゴ社が協議の上で測定点数を決定しているが、特段の選択基準は定めていないと聞いている。

六の6及び7について

 通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社の抜取検査と東京電力の社員等の立会いによる再検査とは、抜取個数及び一ペレット当たりの測定点数が異なることから、それぞれの検査により得られたデータについて、外径の長さの一定の区分ごとに、検査の対象となったMOX燃料ペレットが占める割合を算出した上で、両者を比較したものであると聞いており、その手法は妥当なものと考えている。

七の1について

 ロットとは、同一組成の粉末から同一の焼結工程により生産されたペレットの集まりのことを意味する。ブレンダーとは、同一の焼結工程により生産されたペレットの集まりのうち、品質管理を行う単位(一つにつきペレット数約七〇〇〇個)である。ロットは複数のブレンダーから構成される。

七の2から4までについて

 通商産業省においては、東京電力から、製造され、合格して燃料棒の製造に使用されたロットの数については、福島三号機用が十六、柏崎刈羽三号機用が十八であり、ブレンダーの数については、福島三号機用が七十、柏崎刈羽三号機用が、再検査によって合格したものを含め、六十二であり、製造したが最終的に合格又は使用しなかったものはなかったと聞いている。
 MOX燃料ペレットの数については、通商産業省においては、東京電力から、合格して燃料棒の製造に使用された数及び製造されたが使用されなかった数は承知していないが、製造された数については、原料となったウラン酸化物及びプルトニウム酸化物の粉末の重量から計算すると、福島三号機用は約四十三万個、柏崎刈羽三号機用は約四十一万個であったと考えられると聞いている。

七の5について

 通商産業省においては、東京電力から、抜取検査で合格したロットの数については、福島三号機用が十六、柏崎刈羽三号機用が十八であり、ブレンダーごとの合格したMOX燃料ペレットの数については、分からないと聞いている。
 合格したブレンダーの数をロットごとに明らかにすることについては、これを公にすることにより、ベルゴ社の競争上の地位を害するおそれがあり、また、ベルゴ社に具体的な不正の疑義があるわけでもないことから、答弁を差し控えたい。
 MOX燃料ペレットごとの測定点数については、東電報告書によれば、福島三号機用、柏崎刈羽三号機用共に、生産当初の三ブレンダーについては六か所、それ以後は三か所となっている。

八の1について

 通商産業省においては、東京電力から、東電報告書において、MOX燃料ペレットの外径データの数値を千分の四ミリ単位にしたことは、MOX燃料に関する品質管理状況の再確認を行った際に、ベルゴ社との折衝により決めたことであると聞いている。
 通商産業省においては、東電報告書によれば、ベルゴ社においては、品質部門が製造部門から独立していること、MOX燃料ペレットの外径測定とその評価が別の人間によって行われていること、東京電力の社員等の立会いによる再度のMOX燃料ペレットの外径測定が行われていること、内部監査が計画的に実施されていること並びに従業員の教育及び訓練が適切に行われていることが確認されており、不正に対する抑止効果が働いていると考えていることから、MOX燃料ペレットの外径データの数値を千分の一ミリ単位とするよう指導する必要はないと考えている。

八の2の(1)について

 通商産業省においては、東京電力から、ロットごとの抜取データで分布図を作成することは、MOX燃料に関する品質管理状況の再確認を行った際に、ベルゴ社との折衝により決めたことであると聞いている。

八の2の(2)について

 通商産業省においては、御指摘のブレンダーごとの抜取データは、調査、確認していない。

八の3について

 通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社においては、MOX燃料ペレット製造時の外径の全数計測データは、製造工程における研削機の調整のために用いるデータであり、MOX燃料ペレットの品質保証のために用いるデータではないので、保存されていないと聞いている。

八の4について

 東電報告書によれば、ベルゴ社においては、品質部門が製造部門から独立していること、MOX燃料ペレットの外径測定とその評価が別の人間によって行われていること、東京電力の社員等の立会いによる再度のMOX燃料ペレットの外径測定が行われていること、内部監査が計画的に実施されていること並びに従業員の教育及び訓練が適切に行われていることが確認されており、不正に対する抑止効果が働いていると考えている。

九の1について

 通商産業省においては、福島三号機用の輸入燃料体検査申請書及びその添付書類の書類審査、外観検査等に加え、東電報告書も参考として、発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令(昭和四十年通商産業省令第六十三号)に適合するか否かについて審査している。

九の2について

 福島三号機用の輸入燃料体検査申請書には、燃料の種類、初期濃縮度等が記載されており、その添付書類には、燃料体の耐熱性、耐放射線性、耐腐しょく性その他の性能に関する説明書等があるが、これらの中には御指摘のようなMOX燃料ペレットの外径の抜取検査の結果の元データは含まれていない。
 通商産業省においては、福島三号機用の輸入燃料体検査申請書及びその添付書類の書類審査、外観検査等により、発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令に適合するか否かについて審査している。

十の1について

 東京電力による委託加工貿易契約の内容変更申請の申請年月日は平成七年五月十一日であり、当該申請に係る通商産業大臣の許可年月日は同年六月二日である。

十の2について

 東京電力による委託加工貿易契約の内容変更申請の許可に当たっては、株式会社東芝とフランスのコモックス社との間のMOX燃料加工委託に係る役務取引の許可申請書に添付されていた当該役務取引に関する契約書の内容を参考にしつつ、当時の外国為替及び外国貿易管理法(昭和二十四年十二月一日法律第二百二十八号)に基づき厳格な審査を行った上で、通商産業大臣の許可を与えたところである。

十一の1及び3の(1)について

 通商産業省においては、BNFL社と異なり、ベルゴ社に具体的な不正の疑義があるわけではなく、また、これ以上のデータを公にすることにより、ベルゴ社の競争上の地位を害するおそれがあることから、東京電力に対し更なるデータの開示を指導する積もりはない。

十一の2について

 東電報告書は、BNFL社におけるMOX燃料の品質管理に係るデータの不正問題にかんがみ、通商産業省から、東京電力に対し、念のためベルゴ社の品質管理状況を再確認するよう指示した結果作成されたものであり、そもそも、ベルゴ社に具体的な不正の疑義があるとして作成されたものではない。
 また、東電報告書によれば、ベルゴ社においては、品質部門が製造部門から独立していること、MOX燃料ペレットの外径測定とその評価が別の人間によって行われていること、東京電力の社員等の立会いによる再度のMOX燃料ペレットの外径測定が行われていること、内部監査が計画的に実施されていること並びに従業員の教育及び訓練が適切に行われていることが確認されており、不正に対する抑止効果が働いていると考えている。

十一の3の(2)及び(3)について

 東電報告書及びBNFL社におけるMOX燃料の品質管理に係るデータの不正問題に関連する報告書類は、東京電力及び関西電力株式会社により、それぞれの責任と判断で作成されたものであるので、両社が公開しているデータの程度に違いがある理由については、明確に答弁することは困難である。
 なお、東電報告書は、BNFL社におけるMOX燃料の品質管理に係るデータの不正問題にかんがみ、通商産業省から、東京電力に対し、念のためベルゴ社の品質管理状況を再確認するよう指示した結果作成されたものであり、そもそも、ベルゴ社に具体的な不正の疑義があるとして作成されたものではない。

十二について

 現時点では、フランスのコジェマ社製のMOX燃料の品質管理状況について、調査を行うことは考えていない。
 なお、通商産業省においては、今後同社製のMOX燃料の輸入燃料体検査申請がなされれば、これを審査することとなる。