質問主意書

第147回国会(常会)

答弁書


答弁書第四三号

内閣参質一四七第四三号

  平成十二年六月二十七日

内閣総理大臣 森 喜朗   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員櫻井充君提出睡眠時無呼吸症候群に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員櫻井充君提出睡眠時無呼吸症候群に関する質問に対する答弁書

一について

 厚生省特定疾患調査研究事業により平成九年度に実施した「呼吸不全六疾患の全国疫学調査」によれば、睡眠時無呼吸症候群のうち重症型である肥満低換気症候群の全国推計患者数は百八十人であること及び肥満低換気症候群に認められる日中の過剰傾眠は患者の生活の質に直接的に影響し、交通事故や就労効率の低下をもたらすことが、同事業により呼吸不全調査研究班が平成八年度から平成十年度までの間に実施した研究の「総合研究報告」によれば、鼻CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)が肥満低換気症候群の症状の一つである肺胞低換気の是正等をもたらし、予後の改善に寄与している可能性が示唆されたこと等が報告されている。
 睡眠時無呼吸症候群については、引き続き、呼吸不全調査研究班において、肥満低換気症候群を中心に、治療法の開発に関する研究等を進めてまいりたい。

二について

 睡眠時無呼吸症候群に係る診療報酬点数は、限られた診療報酬改定の財源の中で、適宜引き上げてきている。具体的には、平成二年に千五百点で新設した終夜睡眠ポリグラフィーについては、数次にわたり引き上げ、平成十年から二千二百点としており、また、平成十年に千三百点で新設した在宅持続陽圧呼吸法指導管理料(経鼻的持続陽圧呼吸療法治療器を使用した場合)については、平成十二年の診療報酬改定において千五百五十点に引き上げたところである。なお、我が国と諸外国とでは医療費支払いの仕組みが異なるため、これらの診療行為に係る診療報酬点数等を比較することは困難である。

三について

 睡眠時無呼吸症候群については、今後とも診断及び治療に関する研究を進めるとともに、その診療行為に係る診療報酬上の評価については、中央社会保険医療協議会の審議も踏まえ、適切に対処してまいりたい。