質問主意書

第147回国会(常会)

答弁書


答弁書第二九号

内閣参質一四七第二九号

  平成十二年五月十九日

内閣総理大臣 森 喜朗   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員小川敏夫君提出憲法第二〇条第一項における「政治上の権力」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員小川敏夫君提出憲法第二〇条第一項における「政治上の権力」に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 憲法第二十条第一項後段は、「いかなる宗教団体も、・・・政治上の権力を行使してはならない。」と定めているが、ここにいう「政治上の権力」とは、一般的には、「国又は地方公共団体に独占されている統治的権力をいう。」と考えられており、立法権、裁判権及び課税権、行政機関の職員の任免権等の行政権がこれに属すると解している。
 政府としては、従来から、右規定は、宗教団体が国又は地方公共団体からこのような統治的権力の一部を授けられてこれを行使することを禁止している趣旨であって、特定の宗教団体と密接な関係にある政党に所属する者が内閣の構成員になったとしても、当該宗教団体と当該内閣の構成員とは法律的に別個の存在であり、宗教団体が「政治上の権力」を行使していることにはならないから、憲法第二十条第一項後段違反の問題は生じないと解してきているところである。