質問主意書

第147回国会(常会)

答弁書


答弁書第一九号

内閣参質一四七第一九号

  平成十二年五月十二日

内閣総理大臣 森 喜朗   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員櫻井充君提出税金の使途及び公共事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員櫻井充君提出税金の使途及び公共事業に関する質問に対する答弁書

 御指摘のように、我が国の財政は、平成十二年度末の国及び地方の長期債務残高の合計が約六百四十五兆円に達する見込みである等、危機的状況にある。
 このような財政状況となったのは、近年の景気後退に伴う税収の低迷並びに厳しい経済情勢や金融情勢を踏まえて講じられた公共投資等の追加、減税及び金融システム安定化策の実施により歳入と歳出との乖離が大幅に拡大したこと、また、公債残高の累増に伴う公債費の増大や人口の高齢化に伴う社会保障分野における国及び地方公共団体の役割の増大により歳出が構造的に増加してきたことといった複合的な要因から、多額の公債を発行せざるを得なかったことによるものであって、税金の使われ方に問題があることが原因ではないと考えている。
 地方公共団体が行う公共事業に対する補助金については、各省各庁の長が、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号。以下「補助金等適正化法」という。)第六条第一項の規定に基づき、補助金の交付が法令及び予算で定めるところに違反しないかどうか、補助事業の目的及び内容が適正であるかどうか、金額の算定に誤りがないかどうか等の調査を行い、その交付を決定しているところである。
 また、省庁再編の実施に伴う各省庁間での公共事業の補助金の調整については、各地方公共団体の省庁再編前に計画された公共事業の取扱いも含めて、中央省庁等改革基本法(平成十年法律第百三号)第二条の「国の行政組織並びに事務及び事業の運営を簡素かつ効率的なものとする」との基本理念を踏まえ、今後、検討してまいりたい。
 補助金を交付する省庁の責務については、補助金等適正化法第三条第一項において、「各省各庁の長は、その所掌の補助金等に係る予算の執行に当つては、補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに特に留意し、補助金等が法令及び予算で定めるところに従つて公正かつ効率的に使用されるように努めなければならない」と規定されている。したがって、公共事業の補助金を交付する省庁においては、同項に規定する責務を全うするため、これまでも、費用対効果分析を活用した事業評価を厳格に適用するとともに、公共工事のコスト縮減に積極的に取り組む等、補助金が公正かつ効率的に使用されるように努めてきたところであり、今後ともこれらの取組を進めてまいりたい。