質問主意書

第147回国会(常会)

答弁書


答弁書第三号

内閣参質一四七第三号

  平成十二年二月二十九日

内閣総理大臣 小渕 恵三   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員櫻井充君提出身体障害者福祉法に基づく医師の指定基準に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員櫻井充君提出身体障害者福祉法に基づく医師の指定基準に関する質問に対する答弁書

 身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号。以下「法」という。)第十五条に規定する身体障害者手帳の交付の申請に当たっては、同条第一項及び第三項の規定により、都道府県知事の指定する医師が作成した診断書及び意見書を添付することとされている。
 御指摘のそしゃく・嚥下障害は、法別表及び身体障害者福祉法施行規則(昭和二十五年厚生省令第十五号)別表第五号に規定するそしゃく機能の障害(以下「そしゃく機能の障害」という。)に該当し、そしゃく機能の障害は、「そしゃく機能の喪失」又は「そしゃく機能の著しい障害」のいずれかに該当する障害とされている。また、具体的には、「身体障害者障害程度等級表について」(昭和五十九年九月二十八日付け社更第百二十七号厚生省社会局長通知)において、「そしゃく機能の喪失」は、そしゃく又は嚥下に関係する神経又は筋疾患によるゾンデ栄養以外に栄養を補給する方法のないそしゃく嚥下障害であり、「そしゃく機能の著しい障害」は、唇顎口蓋裂の後遺症による著しい咬合異常があるため、歯科矯正を必要とするそしゃく機能障害であるとしている。なお、「そしゃく機能の喪失」は、そしゃく機能障害とあいまった嚥下障害とそれ以外の嚥下障害とに分けられる。
 そしゃく機能の障害に係る診断書及び意見書の作成に当たっては、最終的な診断書及び意見書は医師が総合的な判断に基づき作成する必要があるが、障害の内容に応じて、次のように歯科医師の診断を求めることが適当であると考えており、その周知を図ってまいりたい。

一 「そしゃく機能の喪失」については、耳鼻咽喉科、気管食道科等の医師が先に述べた程度の嚥下障害の有無について診断を行い、診断書及び意見書を作成するが、当該医師が必要と判断した場合は、あらかじめそしゃく機能障害に係る歯科医師の診断を求める。

二 「そしゃく機能の著しい障害」については、唇顎口蓋裂に起因する咬合異常により歯科矯正を必要とする程度のそしゃく機能障害があるかどうかについて歯科医師の判断が不可欠となるため、まず、歯科医師の診断を求めた上で、その結果を踏まえて耳鼻咽喉科、気管食道科等の医師が更に診断を行い、診断書及び意見書を作成する。なお、このような取扱いについては、「唇顎口蓋裂後遺症によるそしゃく機能障害に関する歯科医師の意見の取扱いについて」(昭和五十九年九月二十八日付け社更第百二十九号厚生省社会局長通知)で明記しているところである。