質問主意書

第147回国会(常会)

質問主意書


質問第三六号

無年金障害者を始めとする年金受給権問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十二年五月二十四日

平田 健二   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   無年金障害者を始めとする年金受給権問題に関する質問主意書

 我が国は昭和三十六年の国民年金法の施行、とりわけ昭和六十一年の国民年金法の大改正以来、「国民皆年金」を目指し、制度設計を図ってきた。しかしながら、過去の「制度的欠陥」による「適用除外であった在日外国人」「適用除外であった在外邦人」「任意未加入であった学生」「任意未加入であった主婦」等が、その未加入時に発生した障害により現在に至るも「無年金障害者」として放置されている。
 これらの「制度的欠陥」は、その後の数次の改正によりそのほとんどが新たには発生しないように制度的改善措置が施されてきたことは高く評価するものであるが、過去における「制度的欠陥」、若しくは本人の責とは言い難い理由により生じた「無年金障害者」が依然救済されないまま放置されていることは由々しき事態と言わざるを得ない。
 衆参両院における数次の附帯決議でも「無年金者である障害者の所得保障について」「福祉的措置による対応」の必要性は指摘されているところであり、何らかの所得保障は必要不可欠だと考える。
 また、無年金障害者の問題のみならず、「国民皆年金」を名実ともに実現していくことが重要であるが、二十五年以上の「加入期間」という支給要件は世界的に見ても長い期間を要求しているものであり、今後の無年金者の大きな発生要因と考えられる。
 「無年金者」の発生防止は我が国の社会保障政策の根幹、との問題認識に基づき、以下質問する。

一、無年金障害者の問題は、平成元年の法案審議、さらには平成六年の法案審議の際にも附帯決議がなされているにもかかわらず、今次の法改正においても何らの策も講じられていない。今後とも対策を講ずることはないのか、政府の考えを明らかにされたい。

二、年金の支給要件である「加入期間」二十五年以上という長さは、無年金者が発生する大きな要因と考えられる。長い加入期間の要件を短縮する考えはないか、政府の考えを明らかにされたい。

  右質問する。