第147回国会(常会)
質問第二五号
原子力エネルギーの経済性に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成十二年四月十二日 清水 澄子
原子力エネルギーの経済性に関する質問主意書 資源エネルギー庁は昨年十二月十六日、総合エネルギー調査会原子力部会に「原子力発電の経済性について」を提出した。この中で、従来とは試算方法を変えた上で、原子力が一KW当たり五・九円で、諸エネルギー中、最も安い、としている。
一、今回の試算方法を平成六年試算と同じものにしたならば、各電源(一般水力、石油火力等、右資料で示している五種。以下同じ。)の発電原価はそれぞれいくらになるか。 二、各電源の発電原価は、建設費用の見込み方によって大きく変動するはずである。今回の試算において、各電源の建設費用はいくらと見込んでいるか。 三、各電源の発電原価試算については、その追認ができるような試算方法の説明がなされていない。その計算式を示されたい。 四、原子力以外の発電単価の内訳(資本費、運転維持費、燃料費)は、それぞれどのような考え方で、いくらと見込んでいるか。 五、原子力発電は、発電所だけでは発電ができず、不可避的にいわゆる核燃料サイクルを伴っており、これを除外して原子力発電の費用を論ずることはできない。今回試算において、核燃料サイクルの各工程の費用の一部が、発電量一KW当たりの金額で示されているが、その根拠は不明である。各工程の費用を、取扱い燃料量当たりの金額で示すとどうなるか。 六、「廃棄物処理・処分」は、高レベル放射性廃棄物処分と、その他再処理に伴い発生する廃棄物の処理・貯蔵・処分費用が含まれる、とあるが、その他にも各種の廃棄物を発生するはずである。再処理に伴い発生する廃棄物以外は含まれていないのか。
七、以上みたように、右資料は、多くの不透明または説明不足の部分を含んでおり、これよりただちに、原子力発電が他の電源より安価であるとの結論を導くのは、はなはだ早計であると思われる。今後、背景資料を十分公開した後、在野の専門家など各方面の意見をとり入れ、この結論を再検討すべきものと考えるが、いかがか。 右質問する。 |