質問主意書

第147回国会(常会)

質問主意書


質問第二二号

米国原子力軍艦の寄港に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十二年四月六日

照屋 寛徳   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   米国原子力軍艦の寄港に関する質問主意書

 私が、平成十二年三月八日付けで提出した米国原子力軍艦のホワイト・ビーチ地区への寄港に関する質問主意書に対し、同月二十四日付けの政府答弁書(以下「答弁書」という。)が出た。
 答弁書によると、「我が国に寄港した原子力軍艦から放射能放出事故が発生した場合を想定した災害対策マニュアルは策定していない」ことが明らかとなった。東海村臨界事故で国民の原子力に対する不信・不安が高まっている中にあって、在日米軍基地に寄港した原子力軍艦から放射能放出事故が発生した場合の災害対策マニュアルが策定されていないことは、国民を原子力災害の危険にさらすものであり、断じて容認できない。かかる政府の無責任極まりない米国原子力軍艦の寄港への対応に、沖縄県民はもとより多くの国民の怒りは臨界にある。
 また、答弁書によると、ホワイト・ビーチ地区への米国原子力軍艦の寄港は、これまで政府から沖縄県を介して公表された寄港回数より二回多くなっている。つまり、沖縄県に通報され、公表された寄港回数は二回少なくなっているのである。加えてここ数年、寄港の形態も沖合停泊から接岸へと変化しつつあることが明らかであり、ホワイト・ビーチ地区が米国原子力軍艦の母港化する前兆ではないか、と危惧するものである。そもそも、米国原子力軍艦のホワイト・ビーチ地区への寄港増加は、沖縄県民にとって“危険の接近”そのものと言わざるを得ない。国是とする非核三原則に照らしても、我が国への米国原子力軍艦の寄港は直ちに中止すべきである。
 以下質問する。

一、一九七二年一月一日以降、二〇〇〇年三月末日までに横須賀基地及び佐世保基地へ寄港した米国原子力軍艦の寄港年月日、艦船名、寄港目的、艦船の排水量、全長、乗員数、停泊時間、停泊の形態(沖合か接岸か)を明らかにされたい。

二、米国原子力軍艦がホワイト・ビーチ地区、横須賀基地及び佐世保基地へ寄港する前後の放射能汚染調査の実施、寄港通報体制等にそれぞれ差違があるか明らかにされたい。

三、昭和六十二年以降、米国原子力軍艦のホワイト・ビーチ地区への寄港が増加し、寄港形態も沖合停泊より接岸が増えるなどホワイト・ビーチ地区が米国原子力軍艦の母港と化しているのではないかと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

四、復帰後、二〇〇〇年二月末日までにホワイト・ビーチ地区へ寄港した米国原子力軍艦の寄港回数が、政府から沖縄県を介して公表された回数より二回多くなっているのはいかなる理由によるか明らかにされたい。

  右質問する。