質問主意書

第147回国会(常会)

質問主意書


質問第一六号

外国人の収容に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十二年三月七日

福島 瑞穂   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   外国人の収容に関する質問主意書

 外国人の収容に関し、以下のとおり質問する。

一、入国管理局の収容施設の収容者に関する質問に対する答弁書(一九九九年八月一〇日付け)について

1 一〇歳以上二〇歳未満の被収容者に関し、収容期間六月未満の者が三二名、収容期間六月以上三年未満の者が一名との回答を得た。これらの者の中には小学校及び中学校の義務教育課程並びに高等学校教育課程にある者が含まれると考えられるが、これらの者の年齢の内訳、収容の必要性及び合理性を明らかにされたい。
2 六〇歳以上の被収容者に関し、収容期間六月未満の者が二名との回答を得た。これら二名の者の年齢、収容の必要性及び合理性を明らかにされたい。
3 未成年者及び高齢者の収容に関し、入国管理局では処遇面でどのような配慮をしているのかを明らかにされたい。

4 退去強制が執行できない理由について

(1) 「帰国用旅券がない等送還の条件が整っていない者」があわせて一、一六八名とあるが、この段」で、かつ「もっとも短い期間」である場合のみ許容されることを明らかにし、同条cに「自由を奪われたすべての子どもは、人道的におよび人間の固有の尊厳を尊重して取り扱われ、かつその年齢に基づくニーズを考慮した方法で取り扱われる。特に、自由を奪われたすべての子どもは、子どもの最善の利益に従えば成人から分離すべきでないと判断される場合を除き、成人から分離されるとし、かつ特別の事情のある場合を除き、通信および面会によって家族との接触を保つ権利を有する」と規定し、人道的な、かつその尊厳を尊重した身柄拘束時の取扱いを求め、かつ成人(家族を除く)からの原則分離を求めている。
 以上の子どもの権利条約の諸規定からすると、現在入国管理局が行っている子どもの収容は、それが、「最後の手段」ではないこと、長期間に及んでいること、成人との収容が行われ、かつ家族から分離されていること、処遇環境が劣悪であり子どもの尊厳を尊重しているとは到底言えないことなどから、「子どもの最善の利益が第一次的に考慮」されているとは言えず、その権利を侵害していると言わなければならない。
 かかる観点から、入国管理局に対し、子どもの収容を直ちに中止し、今後新たに子どもを収容しないよう求めるものである。
 そこで、現在の子どもの収容の実態を明らかにするために、以下の諸点について回答を求める。

1 一九九九年の一年間における子ども(二〇歳未満)の収容の有無
2 1について、その人数、国籍、年齢構成、男女の別及び現時点までの収容の期間
3 2のそれぞれの事案について、収容の具体的理由と必要性(「最後の手段性」)
4 家族との分離収容の有無、分離しているとすれば家族との接触機会の確保の有無、及び態様
5 他の成人被収容者との分離収容の有無
6 子ども、特に乳幼児に対する処遇上の配慮の有無及びその内容
7 収容時に子どもの教育機関等への連絡を行っているか、その有無

  右質問する。