質問主意書

第147回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇号

エアーニッポン機とジェット戦闘機の異常接近に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十二年二月十日

照屋 寛徳   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   エアーニッポン機とジェット戦闘機の異常接近に関する質問主意書

 急速に大型化、スピード化が進む航空運輸の世界にあって、安全な航行の確保は万全に担保され、優先されなければならない。
 離島県沖縄、観光立県をめざす沖縄にとって、安全な航空路の確保は極めて重要である。その沖縄上空で万が一にも起こってはならない民間機とジェット戦闘機が異常接近した、との航空法第七十六条の二の規定に基づく機長報告が運輸大臣になされたとのことである。
 平成十二年二月八日の運輸省発表に基づくマスコミ報道によれば、異常接近は同年二月四日一三時五〇分頃に発生し、関連機はジェット戦闘機であった、とのことである。マスコミ報道に見る接近状況は単なる異常接近ではなく、ジェット戦闘機がエアーニッポン機を標的にして戦闘訓練をやったのではないかと、強く疑わざるを得ない。
 今回の異常接近報告に対し、在日米海軍司令部は「ニアミスと報道されている機は第七艦隊所属原子力空母『ステニス』の艦載機FA一八戦闘攻撃機ホーネット」であることを認めたものの、エアーニッポン機長の異常接近報告の内容を否定しているとのことである。
 復帰後二七年余が経過したにもかかわらず、沖縄上空では未だに我が国の主権が回復されていない。なぜなら、いわゆる嘉手納ラプコンが返還されておらず航空管制権を米軍が握っているからである。その上、沖縄上空には広範な訓練空域が存在し、米軍と自衛隊の共同使用による実射訓練、空中戦闘訓練が日常的に行われているのである。
 政府は、一刻も早く今回の異常接近の真相を調査・究明し、沖縄上空における我が国の主権を回復し、もって航行の安全を確保すべきである。
 以下、質問する。

一、過去一〇年間に発生したニアミスと認定された事例とそれに対する再発防止等政府が講じた対応について明らかにされたい。

二、この度のエアーニッポン七三五便機長からの異常接近報告の内容について詳細に明らかにされたい。

三、航空法に定める異常接近報告の手続とこの度のエアーニッポン七三五便機長の報告が遅れた理由を明らかにされたい。

四、この度の異常接近報告に対する政府の調査の方法、調査報告書作成の時期及び公表の方法、ニアミスと判断された場合の対応の具体的な方策を明らかにされたい。

五、沖縄上空に設定されている米軍訓練空域の位置、範囲等を図表をもって明らかにされたい。

六、いわゆる嘉手納ラプコンの返還をいつ、いかなる方法でアメリカ政府に要求したのか、また、政府がいわゆる嘉手納ラプコンをアメリカ政府に要求する理由を明らかにされたい。

  右質問する。